2011年06月02日

サマータイム


 既に4月、5月には何度も報道されていますが、大手企業で「サマータイム」導入や休日変更が進められ、6月からスタートした会社もあります。

 福島第1原発事故をきっかけにした電力不足を受けて、就業時間を早めに繰り上げ、早朝の涼しい時間帯から仕事を始めて、省エネにつなげようというものです。

 サマータイム制度導入だけでは抜本的な節電対策とはならないと言われていますが、ライフスタイルへの影響は徐々に出てきているようです。

 通勤ラッシュが緩和されたり、終業時間が早くなり、夕方の退社後の時間を有効に使えたり、余暇が増加したりといった他のメリットを挙げる企業も多く、今後、定着するか注目されています。

 節電ということで注目されていますが、個人的には、震災や原発事故の有無に関係なく、サマータイムというものはあってもよいと思いますし、現に欧米では利用されています。

 戦後の日本では、「夏時間法」が1948年から実施されていたことがありましたが、「労働時間の延長につながる」といった国民の抵抗感が強く、1951年に廃止されています。

 労働時間制度自体は、会社によって業務の繁忙期があり、労働基準法でも変形労働時間制や有給の計画的付与などを利用しながら労働時間や休日のスケジュールをうまく運用することが可能です。

 日本は日照時間や気候が季節によって違いますので、サマータイムなど、季節によって始業・終業時刻を変更するのも良いことだと考えます。

 そもそも現在は、「朝活」がさかんに行われているように、朝の早い時間を上手に利用するほうが能率がアップし仕事がはかどるとビジネス誌には多く書かれています。(サマータイムを運用すると、朝活の会に行けなくなるという弊害はありますが…)

 もちろん個人のライフスタイルによっては、サマータイムの弊害も出てくる方もいるかもしれません。

 大手企業の導入で、中小企業の労働時間も影響が出てくるかもしれませんが、単に真似をするだけでなく、各企業の状況に照らし合わせ、自社は本当にサマータイムを導入する必要があるのかどうかなどをシミュレーションしながら制度をつくっていく必要があります。

 なお、労働時間の変更には、労使協定の締結就業規則の変更・届出が必要となります。

 厚生労働省から「節電に取り組む労使のみなさんへ」というパンフレットが出ており、詳細が記載されています。


ひらめき節電に取り組む労使のみなさんへ(厚生労働省)

【記事】

 “サマータイム”もスタート 働き方が変わる?

 始業時間を早めて就業時間を前倒しする「サマータイム」が1日、全国の企業で始まった。

 環境省では一層の軽装を促す「スーパークールビズ」がスタート。東京電力福島第1原発事故による夏場の電力不足に備えた節電対策の一環だが、果たして節電対策の“切り札”になるのか、効果が注目される。

 残業、保育園送迎は…

 午前7時半すぎ。雨が降りしきるなか、住友金属工業大阪本社が入居する住友ビル(大阪市中央区)のシャッターが開き、クールビズの格好の社員らが続々と出社した。

 同社は1日から9月30日まで、東京、大阪の両本社とも始業・終業時間を1時間早め、大阪本社の就業時間は午前8時〜午後4時半に変更した。

 終了時刻が午後4時半を過ぎる全社会議は原則取りやめ、午後8時には本社ビルを閉館する。残業は原則禁止。社員食堂の営業時間(午前11時半〜午後1時半)は変更しないが、昼休みは30分早め、午前11時45分〜午後0時半となる。

 「仕事が早く終わるので、ふだんは構ってやれない子供たちと夕食がとれてうれしい。 時間に余裕ができた分、自己啓発や体力増強に努めたい」と総務担当の男性社員(42)。営業担当の男性社員(43)は「車内が空いて快適」と話す。

 サマータイムは森永乳業、ソニー、東京証券取引所など各業界の企業が導入。関西でも、パナソニックが事業所ごとに導入するのを検討し、7府県が加入する関西広域連合も導入する計画だ。

 サマータイムの社員の生活への影響は大きい。出社前に子供を保育園に送るのが日課の社員には時間調整などが大変になる。また、勤務時間を前倒ししてもサマータイムを導入していない取引先企業に合わせ、残業の必要が生じる可能性もある。

 住友金属の場合、「育児、介護などで配慮が必要な場合は、フレックスタイム制を活用できる。残業は事前の届け出が必要」という。

 就業時間を1時間前倒ししたところで、日中の電力需要は変わらず、サマータイムの効果を疑問視する企業もある。実際、NECは「シミュレーションの結果、あまり効果がないと判断した」として、導入を見送った。

 とはいえ、サラリーマンにとって、仕事から早く解放され、プライベートの時間が増えるのは確か。「仕事以外の生活を楽しむ好機」と思えば、爽快な気分になれるというメリットはありそうだ。

   (6月1日 フジサンケイビジネスアイ)


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寒いけど…スーパークールビズ始まる


 昨日(1日)は6月になったというのに寒い1日でした。

 私自身は非常に寒がりなので、今日もものすごく寒く感じます。

 クールビズ期間も5〜10月末までと、例年より前後1ヵ月ずつ延長されていますが、6月になり、スーパークールビズが一応始まりました。

 スーパークールビズは、福島第1原発事故の影響で夏の電力不足が心配され、節電対策として環境省が打ち出したものであることは知られている通りです。

 地球温暖化対策で2005年に提唱されたクールビズよりカジュアルで、ノーネクタイ、ノージャケット、半袖シャツだけでなく、ジーパンや無地のTシャツ、アロハシャツでの勤務も認めるというもの。

 ポロシャツはともかく、Tシャツやアロハシャツ、ジーンズは、堅い業種の人にはそぐわないと思いつつ、例えば昨年のような猛暑の時に黒や紺のスーツを着てネクタイをしているのもむさ苦しい印象があります。

 クールビズ自体にも賛否があり、浸透はしているとは感じますが、人によっては軽装はいかんという方もいらっしゃいますし、業種、職種や業界の慣習的なものもあるので、一概にいい悪いは言えませんが、スーパークールビズ商戦で、多少なりとも消費に刺激を与えることにはなるのでしょう。

 時代は地球温暖化対策や節電が求められており、個人の主義主張や過去の概念にとらわれず、お付き合いする相手のことも考えながら対応したいものです。

 ちなみに私は社労士という個人事業主なので、服装に関しては自由といえますが、夏場の暑い時にはスーツを着ないでノーネクタイ、長袖Yシャツ(半袖Yシャツは着ない)というスタイルで、特にクールビズ用の何かを買うということはないです。

 昨日は寒かったので、スーツにネクタイをして外出しましたが、打ち合わせ先でお会いした保険代理店の方々は、みなクールビズでした。

【記事】

 寒いけど…スーパークールビズ始まる

 夏の電力不足対策の一環として、Tシャツにジーンズ、スニーカー姿での勤務を認めるなど従来のクールビズより一層の軽装を促す環境省の「スーパークールビズ」が1日、始まった。

 気象庁によると、午前9時の都心の気温は14・3度。半袖には少し肌寒く、環境省内でもノーネクタイの従来のクールビズ姿の職員が多かった。だが、スーパークールビズを担当する地球環境局では、赤や白のかりゆしウエアや青いTシャツ、ポロシャツ姿の職員が目立った。

 赤い半袖のかりゆしウエアで自宅から通勤してきたというフロン等対策推進室の吉沢保法室長補佐は「少し肌寒いけれど、沖縄の真冬よりは暖かい。首もとが開いていて楽。率先して着ることで、電気を使わない生活をアピールできたら」。ポロシャツにジーパン、サンダルの20代の女性職員は「節電で室内が暗いので、色とりどりの服で明るい雰囲気になってよいですね。でも、通勤電車で浮いちゃいました」と笑顔で話した。一方、スーツ姿の50代の男性職員は「外出の予定があったのでスーツで来ました。ポロシャツは着ようと思っていますが、ジーパンは暑そうなので、はく予定はありません」。

 環境省は温室効果ガス削減のため、平成17年夏から冷房時の室温を28度にする「クールビズ」を提唱。ノーネクタイで、上着の着用をやめ、軽装で過ごす夏場のライフスタイルとして定着した。

    (6月1日 産経新聞)


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2011年06月01日

6月1日。 労働保険の年度更新の時期となりました。


 おはようございます。


 6月になりました。 今年も労働保険の年度更新、保険料の申告・納付の時期が来ました。
 (労働保険事務組合に委託している事業所の方は、手続きや納入も「個別」事業所とは変わってきますが)


 労働保険(労災、雇用保険)の保険料は、毎年4月1日から翌年3月31日までの1年間(保険年度)を単位として計算されることになっています。


 その金額は、すべての労働者(雇用保険については、被保険者)に支払われる賃金の総額に、その事業ごとに定められた保険料率を乗じて算定することになっています。


 労働保険では、保険年度ごとに概算で保険料を納付し、保険年度末に賃金総額が確定したあとに精算するという方法をとっています。


 そのため、事業主は、前年度の保険料を精算するための確定保険料の申告・納付と新年度の概算保険料を納付するための申告・納付の手続きが必要となります。 これが「年度更新」の手続きです。


 申告・納付期限は、毎年6月1日から7月10日まで(今年度は7月10日が日曜日のため、7月11日まで)の間となっています。


 5月の末から労働局より申告書の発送が始まっており、緑色の封筒で各事業所あてに送付されます。


 なお、平成23年度は、労働保険料率の改定はありません。


 申告・納付は早めに行いたいものです。
 

 また7月には社会保険の算定基礎届の提出があります。


 期限を過ぎることのないようお願いいたします。
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2011年05月31日

喫煙上司は嫌われる? 新社会人7割「吸わぬ方が良い」


 ジョンソン・エンド・ジョンソンの喫煙に関するインターネット調査によると、

■ 平成21年の全国平均喫煙率は23.4%*1。タバコを習慣的に吸っている新社会人はわずか7.0%。さらに、喫煙者の80.0%が「禁煙しようと思っている」と回答。
■ 新社会人の約7割が「上司はノンスモーカーを希望!」、9割以上が「恋人はノンスモーカーを希望」
■ 新社会人が、タバコを吸っているサラリーマン・OLに対して抱くプラスイメージは4年前に比べて大幅ダウン!
■ 分煙では物足りない??4年前に比べ、煙のない職場環境を求める新社会人が増加
■ 新社会人の51.6%が、上司やチームとの飲み会には積極的に参加!


といった結果が出たそうです。


 タバコを吸う吸わないは個人の自由ですが、新社会人の喫煙率は男女ともに非常に低く、「喫煙」に対してはマイナスイメージを多く抱いているようで、喫煙者の肩身はますます狭くなっているようです。

 当ブログでも昨年、記事にしていますが、受動喫煙での死亡は年間6800人で、過半数は職場で被害を受けているとのことです。

 職場の受動喫煙防止の義務化なども厚生労働省で検討されていましたが、当ブログでも「職場の受動喫煙防止「義務化を」 厚労省検討会が合意(2010年2月16日)」で記事にしています。

 ちなみに私はタバコは吸いません。


ひらめき新社会人の9割は非喫煙者、7割は「上司はノンスモーカーを希望!」(ジョンソン・エンド・ジョンソン)

【記事】

 喫煙上司は嫌われる? 新社会人7割「吸わぬ方が良い」

 新社会人の7割は上司の喫煙を望まない――ジョンソン・エンド・ジョンソン(東京) の喫煙に関するインターネット調査で、こんな傾向が浮き彫りとなった。4年前の調査と比べ、「ストレスが多い」「だらしない」など喫煙者へのマイナスイメージも大幅に増えている。

 世界保健機関(WHO)が定める31日の世界禁煙デーに合わせ公表した。全国の新社会人(20〜25歳)の男女258人ずつの計516人(喫煙者12%)から回答を得た。

 「上司は喫煙者と非喫煙者のどちらがいいか」と聞くと、「非喫煙者」が67%、「どちらでもよい」が30%だった。恋人に対しては93%が非喫煙を求めた。

   (2011年5月31日 asahi.com)


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2011年05月30日

平均賃金


 労務関係で、ある事が起こった時に、「平均賃金」を尺度として算定することがあります。

 「平均賃金」とは、労働基準法等に規定されている概念で、休業手当や解雇予告手当などを算定するときなどの基礎となる賃金のことであり、労働基準法第12条に規定されています。

 平均賃金の算定方法は、原則として平均賃金を算定する事由の発生した日以前3ヵ月間に、その労働者に支払われた賃金の総額をその期間の総日数(暦日数)で除した金額をいいます。(歴日数なので、3ヵ月の合計が91日、92日等になったりします)

 賃金の総額とは、通勤手当などの諸手当を含み、税金などの控除をする前の金額です。臨時に支払われる賃金や3ヵ月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)は含みません。

 賃金締切日がある場合、その起算日は直前の賃金締切日になります。また、雇い入れ後3ヵ月に満たない者については、計算期間は雇入れ後の期間となります。

 ただし、労働者の生活保障であり、通常の生活資金をありのまま算定することが基本であるため、日給、時間給、請負制で賃金を支払われる労働者については、原則通りに計算すると、平均賃金の額が低くなってしまうため、最低保障が決められています。


 日給、時間給、請負制の場合、次の@またはAのどちらか高いほうを平均賃金とします。

 @ 3ヵ月間の賃金の総額÷3ヵ月間の総暦日数
 A 3ヵ月間の賃金の総額÷3ヵ月間の労働日数×60/100



 また、平均賃金の計算期間中に、以下の期間がある場合には、その日数、その期間中の賃金は控除します。

●労働災害により休業した期間
●産前産後の休業期間
●使用者の責任によって休業した期間
●育児・介護休業期間
●試みの使用期間



 雇入れ当日に算定する事由が発生した場合等、平均賃金の算定が難しい場合には、厚生労働大臣が平均賃金を定めることになります。平均賃金の算定が難しい場合がありますので、平均賃金についてわからない場合には最寄りの労働基準監督署に問い合わせるなどしてもよいでしょう。


 平均賃金の計算は、労働基準法上では、以下のような場合に利用します。

@労働者を解雇する場合の予告に代わる解雇予告手当 … 平均賃金の30日分以上 (労基法第20条)
A使用者の責に帰すべき休業における休業手当 … 1日につき平均賃金の6割以上 (労基法第26条)
B年次有給休暇を取得した日について平均賃金で支払う場合の賃金 (労基法第39条)
C労働者が業務上負傷し、もしくは疾病にかかり、または死亡した場合の災害補償等
 (休業補償(第76条)、障害補償(第77条)、遺族補償(第79条)、葬祭料(第80条)、打切補償(第81条)及び分割補償(第82条)、労災保険法)
 ※休業補償給付など労災保険給付の額の基礎として用いられる給付基礎日額も原則として平均賃金に相当する額とされています。
D減給の制裁の制限額 … 1回の額は平均賃金の半額まで、何回も制裁する際は支払賃金総額の1割まで (労基法第91条)



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2011年05月26日

職場のいじめ相談件数、過去最高 10年度、3万9千件


 厚生労働省によると、「個別労働紛争解決制度」への2010年度の相談件数は、前年度比0.2%減の24万6907件となり、解雇に関する相談が減ったものの、いじめや嫌がらせの相談件数は過去最高になったとのことです。

ひらめき平成22年度個別労働紛争解決制度施行状況(厚生労働省)

 
 リストラや退職勧奨絡みでのいじめ、嫌がらせにより、労働者を退職に追い込むもうとしているのでしょうから、解雇の相談が減ったというのは、今の時勢からは信じられませんが、いじめや嫌がらせの相談件数は過去最高になったったとのこと。

 もちろんリストラを理由としたもの以外にも、いじめや嫌がらせはあるでしょうが、中には本当にこれがいい大人のすることか?というものもあります。

 パワハラも含め、被害を受けている人は、不安な気持ちと大きなストレスを抱え、どうしていいかわからない状態だと思います。

 正社員、派遣、パートと雇用形態が多様化し、労働者の横のつながりが希薄になり、コミュニケーションが取りづらくなくなっている中で、厳しい経済環境や雇用悪化、そして成果をすぐに求められ、いじめる側もノルマや競争で過敏になり、はけ口を弱い立場の人に求めているというのもあるのでしょう。

 いじめや嫌がらせが横行する職場では、職場の雰囲気も悪くなり、人間関係もギスギスしてきます。社内のモチベーションが低下し、生産性も低下し、優秀な人材が流出したりするため、会社としては良いことはなく、損失が大きくなります。

 いじめや嫌がらせは、単に当事者同士の問題でなく、職場全体、会社経営全体として考えていかなければなりません。

【記事】

 職場のいじめ相談件数、過去最高 10年度、3万9千件

 各都道府県の労働局が従業員と会社の民事上のトラブル解決に乗り出す「個別労働紛争解決制度」への2010年度の相談件数は、前年度比0.2%減の24万6907件となった。厚生労働省が25日まとめた。景気の持ち直しで解雇に関する相談が減ったが、いじめや嫌がらせの相談件数は過去最高になった。

 同制度では、深刻な相談には労働局が会社などに助言や指導をしたり、あっせん案を出したりする。相談内容で最も多かったのは「解雇」の6万118件で、前年度比では13.0%減。うち整理解雇は37.0%減の8320件だった。

 一方、「いじめ・嫌がらせ」は10.2%増の3万9405件で、10年前に制度が始まってから増え続けている。同省は「東日本大震災の影響で、今後は解雇に関する相談が再び増えるだろう」とみている。

   (2011年5月26日 asahi.com)


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2011年05月10日

雇用調整助成金、原発30キロ圏は対象外 経営者ら憤り


 雇用調整助成金(中小企業緊急雇用安定助成金)については、震災に関係なく、不景気なご時勢でもあり問い合わせも多いですし、社労士以外の方も詳細までは知らずとも、名前や概要については知られているな…と感じることもあります。

 雇用調整助成金(中小企業緊急雇用安定助成金)に限らず、助成金全般については、パンフレットなどの概要だけをみて、「ウチの会社も該当する…」と判断してしまうと、細かい要件に引っ掛かって、結局支給されなかったり、書類を揃えたり申請したりする時に苦労することもあります。

 助成金はやはり事業主さんの立場からすれば、”貰いたい”と思うのは当然のことですが、なかなか簡単には支給されないことも事実ではあります。

 雇用調整助成金(中小企業緊急雇用安定助成金)については、これまで度々、要件が緩和されてきていますし、東日本大震災に伴う「経済上の理由」で事業活動が縮小した場合についても利用することができ、支給要件の緩和も行われています。
 
 ただし、東日本大震災を直接的な理由(避難勧告・避難指示など法令上の制限を理由とするもの等)とした事業活動の縮小については「経済上の理由」に該当しないため、この助成金の対象にならないとなっています。

 このあたりが誤解やトラブルを生んだりするのかもしれませんし、「経済上の理由」という言い回しも非常に大雑把な感もあります。

 記事のように「原発30キロ圏は対象外」ということで、原発30キロ圏内に会社があることを理由に助成金を申請しようとした会社が断られたとのことです。

 年金もそうですが、制度自体がわかりにくいため、申請時にこうしたトラブルが起こるのかもしれませんが、同じ要件でも「原発30キロ圏は対象外」で、「30キロ圏外ならOK」というのもおかしな気がします。

 賠償金との絡みがあるようなことも記事にはありますが、行政側も助成金の本来の目的をよく考えて柔軟に対応してほしいところです。

 東日本大震災や計画停電に伴う雇用調整助成金(中小企業緊急雇用安定助成金)については、以下の通りです。


<具体的な活用事例>
●交通手段の途絶により、従業員が出勤できない、原材料の入手や製品の搬出ができない、来客が無い等のため事業活動が縮小した場合。
●事業所、設備等が損壊し、修理業者の手配や部品の調達が困難なため早期の修復が不可能であり生産量が減少した場合。
●避難指示など法令上の制限が解除された後においても、風評被害により観光客が減少したり、農産物の売り上げが減少した場合。
●計画停電の実施を受けて、事業活動が縮小した場合。
 

<震災特例>
●青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県、栃木県、千葉県、新潟県、長野県のうち災害救助法適用地域に所在する事業所の場合。
●上記に該当しない事業所であっても、上記の災害救助法適用地域に所在する事業所と一定規模以上(総事業量などに占める割合が3分の1以上)の経済的関係を有する事業所の場合。
●計画停電の実施地域に所在し、計画停電により事業活動が縮小した事業所の場合

 以上の場合は、最近3ヵ月ではなく最近1ヵ月の生産量、売上高等がその直前の1ヵ月又は前年同期と比べ5%以上減少していれば対象。
(平成23年6月16日までの間は、震災後1か月の生産量などが減少する見込みでも対象)


【記事】

 雇用調整助成金、原発30キロ圏は対象外 経営者ら憤り

 福島第一原子力発電所の30キロ圏内で、国の指示を受けて休業せざるをえなくなった企業が、従業員の休業手当の一部を国が助成する「雇用調整助成金」をもらうことができず、不公平感を募らせている。厚生労働省が助成対象を「経済上の理由」による休業に限り、原発周辺のように法令で制限を受けた場合を除いているためだ。

 雇用調整助成金は、不況など経済上の理由で仕事が減った企業に雇用を維持させるため、国が休業手当の最大8割を助成する制度。福島第一原発から北に25キロ余の福島県南相馬市原町区の社会保険労務士、草野英夫さんのもとには、「なぜ助成金が出ないのか」という相談が相次いでいる。

 近くの建設会社社長は「10人の従業員を何とかしてやりたいが、結局クビにするしかない」と憤った。震災後の津波で発電所の点検工事が止まり休ませざるを得ない。そこでハローワークで助成金を申請しようとしたが、政府が4月21日まで屋内退避を指示していた原発30キロ圏内に会社があることを理由に断られた。

 同じ原町区の土木会社社長は「本社を30キロ圏外に移せば下りるのかと聞いたら下りると言われた。こんなバカな話はない」と怒る。

 助成金は景気悪化で生産量などが一定程度減少した企業が対象。厚労省は、震災で直接的に生産設備が壊れた場合や、法令による屋内退避、避難指示で休業した場合は経済上の理由に当たらず対象外との見解だ。

 助成金の代わりとして、一時的な休職でも失業手当がもらえる雇用保険の特例の利用を求めている。だが、長年勤めた従業員でも失業給付を受けると勤続期間がリセットされ、復職後に短期で失業すると給付日数が短くなる。このため、「従業員の不利益になる」と敬遠する経営者もいる。

 また、国の原子力損害賠償紛争審査会は、4月28日に公表した東京電力の原発事故に伴う損害賠償の1次指針で、政府指示により仕事を失った企業の減収分や労働者の給与を賠償対象と明示した。厚労省には「この地域は助成金よりも損害賠償で対応すべきだ」という考えがある。しかし、経営者たちは「いつ、いくら出るか分からない賠償金を当てにできない」と、厚労省の見解に反発している。

 さらに事態を複雑にしたのは、政府が4月22日に南相馬市などの20〜30キロ圏を屋内退避から「緊急時避難準備区域」に変えたことだ。準備区域では事業が制限されないため、厚労省は一転、「22日以後に事業活動が縮小した場合は助成対象」と説明し始めた。一方で、警戒区域となった20キロ圏は引き続き対象外だ。

 この問題について細川律夫厚労相は、先月末の衆院予算委員会で「できるだけ柔軟に解釈して助成金が適用されるようにしたい」と述べたが、厚労省は「(20キロ圏などに)対象を広げることはない」(担当者)との説明を続けている。

                     ◇

〈雇用調整助成金〉
 景気悪化時の解雇を防ぐため、国が企業に従業員の休業手当の一部を補助する制度。事業主が納める保険料のみで運営され、助成率は中小企業が5分の4、大企業は3分の2。通常は最近3カ月の生産量などが前年比5%以上減った場合などに支給される。厚生労働省は今回、被災後1カ月の生産量などが5%以上減る見込みなら認めるなど、被災地の企業の支給条件を大幅に緩和した。ただ、事業縮小の原因は「経済上の理由」に限られる。

   (2011年5月10日 asahi.com)


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2011年05月09日

大阪の労働者、求人と違い「原発で作業」


 日雇い労働者が多く集まる大阪・西成区のあいりん地区で、東日本大震災後、”宮城県でのダンプの運転手”の求人に応募した男性労働者が、福島第1原発で防護服を身に付け、がれきの撤去作業の労働を強いられていたことがわかったというニュースです。

 なぜ、契約内容が大きく変更されたのか? あるいは言われているように、立場の弱い日雇労働者をウソの求人で雇って危険な場所に送り込んだと捉えられかねません。

 「募集時の内容」と「実際の労働の内容」が違うというトラブルもよく起こりがちです。

 現在は雇用環境も悪化し、仕事を選ぶ余裕もないご時勢ですので、このようなことも起こりやすくなっているのでしょう。

 原発事故は現在も放射能漏れが続き、原発事故が収束していない中でのこうしたニュースは残念なことです。

 使用者が労働者を採用するときは、賃金・労働時間その他の労働条件を書面などで明示しなければなりません。(労働基準法第15条)

 明示された労働条件が事実と相違している場合、労働者は即時に労働契約を解除することができますし、この場合、就業のために住居を変更した労働者が、契約解除の日から14日以内に帰郷する場合、使用者は旅費等を負担しなければならないことにもなっています。(労働基準法第15条)


 ちなみに労働条件の明示については、労働基準法(第15条)および労働基準法施行規則(第5条)で定められています。

 絶対的必要記載事項として「書面」で明示しなければならない事項は次の通りです。

(1)労働契約の期間
   (期間の定めのない雇用契約も当然OKです)
(2)就業の場所、従事する業務の内容
(3)始業・終業時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇、交替勤務がある場合には就業転換に関する事項   
(4)毎月の賃金の決定・計算および支払方法、賃金締切、支払いの時期、昇給に関する事項
(5)退職に関する事項(解雇の事由含む)


 また、定めをした場合に明示しなければならない事項は次の通りです。

(1)退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算・支払いの方法および支払時期
(2)臨時に支払われる賃金、賞与および最低賃金額に関する事項
(3)労働者に負担させる食費、作業用品などに関する事項
(4)安全・衛生
(5)職業訓練
(6)災害補償・業務外の傷病扶助
(7)表彰・制裁
(8)休職


 募集時の労働条件と実際の労働条件が違っていて、トラブルなどが起こらないように注意してほしいと思います。

【記事】

 求人と違い「福島原発で作業」 大阪・西成の労働者

 日雇い労働者が多く集まる大阪市西成区のあいりん地区で、東日本大震災後、宮城県で運転手として働く条件の求人に応募した男性労働者から「福島第1原発で働かされた。話が違う」と財団法人「西成労働福祉センター」に相談が寄せられていたことが8日、関係者への取材で分かった。

 センターは求人を出した業者側の調査に乗り出し、大阪労働局も事実関係の確認を始めた。支援団体は「立場の弱い日雇い労働者をだまして危険な場所に送り込む行為で、許されない」と反発している。

 関係者によると、センターが3月17日ごろ、業者からの依頼をもとに「宮城県女川町、10トンダンプ運転手、日当1万2千円、30日間」との求人情報を掲示。応募して採用された男性は東北に向かった。

 ところが雇用期間中の3月25日ごろ、男性からセンターに「福島第1原発付近で、防護服を身に着けがれきの撤去作業をしている。求人は宮城だったのにどうなっているんだ」と電話があった。

 これを受け、センターが雇用終了後に男性や業者側に聞き取りをしたところ、男性が一定期間、防護服を着て同原発の敷地内での作業に従事していたことが判明した。

 東京電力によると、原発敷地内では同社の社員以外に協力会社の労働者ががれき撤去や電線敷設などの作業をするケースがあるというが、センターは「男性の詳細な作業内容はつかめておらず、さらに聞き取りを進める」としている。

 労働者らを支援するNPO法人釜ケ崎支援機構は「初めから原発と言ったら来ないので、うそをついて連れて行ったともとられかねない。満足な保障もない労働者を使い捨てるようなまねはしないでほしい」と話した。

 あいりん地区は日雇い労働者が仕事を求めて集まる「寄せ場」としては国内最大とされる。同センターは大阪府が官民一体で労働者の職業の確保などを行う団体。

   (5月8日 共同通信)


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2011年04月30日

5月からクールビズ


 昨日からゴールデンウイークがはじまりました。

 気候も暖かくなり、28日には練馬で夏日を記録したようです。

 数日前には強い風が吹いていましたが、過ごし易い天候となっています。

 既に報道されていますが、東日本大震災に伴う夏場の電力不足に対応するため、政府や官公庁は、毎年6月から実施している「クールビズ」を1ヵ月前倒しし、5月1日に開始し、終了時期も1カ月延長し、10月末とすることを決め、民間企業でもそれに追随する動きも出てきています。

 期間等詳細については各社違いもあるものと思われますが、軽装、ノーネクタイで勤務する姿も多く見られることと思います。

 もっとも、時期的にクールビズには寒い日もあるかと思いますし、職種などによっても対応は個人個人で違うでしょう。

 そもそも、クールビズには賛否両論あるようですが、震災や節電の現状もあります。

 「お客様に対して失礼になるのでは?」というビジネスマナーの点もありますが、今年に関しては、クールビズに対するトラブル等ないようにしてほしいですし、「あの人は節電のためのクールビズなのだな」という理解も必要ではないかなと思います。

 枝野幸男官房長官の会見では、「従来からの地球温暖化対策に加え、東日本大震災における節電実施と啓発の必要性を踏まえた」とのこと。

 夏の電力供給も心配になります。今年も昨年のような猛暑になるのでしょうか。

【記事】

 クールビズ5月1日から

 政府は27日、毎年6月から実施している夏の軽装「クールビズ」を1カ月前倒しし、5月1日に開始することを決めた。終了時期も1カ月延長し、10月末とする。衆参両院も同日、5月からの前倒し実施を決定しており、政府と国会が歩調を合わせた格好。政府の取り組みは、中央省庁と地方の出先機関職員らが対象。衆参両院は議員や職員が対象で、本会議場では上着の着用を求めている。

   (2011.4.27 産経新聞)

【記事】

 帝人、5月から10月までクールビズを実施

 帝人は27日、東日本大震災に伴う夏場の電力不足に対応するため、5月1日から10月末までの6カ月間にわたり、ノーネクタイなどの軽装を奨励する「クールビズ」を導入すると発表した。例年は6月から9月までの4カ月間だった。東京・大阪の両本社に勤務する計約3000人(関連会社を含む)が対象となる。

 震災以降、東京本社ではオフィスで昼間に照明を消したり明るさを下げるなどの節電に取り組んでいるほか、大阪本社でもビル屋上のネオンの消灯を続けている。

   (2011.4.27 産経新聞)


posted by 千葉は千葉でも@幕張本郷 at 13:31| ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年04月28日

初の60%割れの公算=10年度の国民年金納付率−厚労省


 厚生労働省は28日、2010年4月〜11年1月分の国民年金の保険料納付率が、前年同期比0.8ポイント減の58.2%だったと発表しました。

 2011年3月分までの数字ではないので、あくまでも見込みですが、2010年度の納付率はこれまで全ての月で前年度を下回っていることから、最終的には過去最低の2009年度の60.0%を下回る見込みとされています。

 国民皆年金とは名ばかりの状態が続いています。

 国民の年金への不信感や不況により保険料が払えない方が増えていることが納付率の低下につながっています。

 免除制度(法定免除、申請免除)、若年者納付猶予、学生納付特例などもありますので、こうした制度を利用してほしいと思います。 


ひらめき国民年金保険料の納付率について(平成23年2月末現在) (厚生労働省)


【記事】

 初の60%割れの公算=10年度の国民年金納付率−厚労省

 厚生労働省は28日、2010年4月〜11年1月分の国民年金の保険料納付率が、前年同期比0.8ポイント減の58.2%だったと発表した。10年度の納付率はこれまで全ての月で前年度を下回っており、最終的には、過去最低を記録した09年度の60.0%を下回る公算が大きい。6割を割り込めば、現行の年金制度が始まった1986年度以来初めてとなる。

 納付率の低下は、不況で企業を解雇され、国民年金に加入したものの保険料が払えないケースが増えていることや、年金制度への不信感による拒否などが原因とみられる。都道府県別では、納付率が最も高いのは新潟県で69.7%、最低は沖縄県で36.2%。

   (2011/04/28 時事通信)


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