社会保険庁改革法案に伴い、社保庁は廃止され、2010年に公的年金(厚生年金、国民年金)事業の運営業務を担う日本年金機構が設立されます。
その業務の合理化に向けた検討状況が新聞で記事になりました。
記事で見る範囲でしかわかりませんが、
”全国54カ所に設置予定の相談センターのうち、まず半数程度を社会保険労務士会に委託”
”一定の要件を備えた社会保険労務士事務所を「街角の社会保険支援センター」として認定”
という箇所が目に入りました。
この年金業務を行う社労士には大きな責任が伴いますが、これができる社労士事務所はやはり大手社労士事務所に限られるでしょう。認定される要件は記事には出ていませんが、それなりの事務所の広さ、相談スペースの有無、従業員の数、立地などは要件的にも重要であると思われます。
それとともに、相談する社労士の質も問題になるでしょう。年金の知識はもちろんですが、相談者の立場にたったコミュニケーション能力なども必要です。フツーの社労士同士ならば、年金の知識の差はそんなにはないと思いますが、年金をメインにされている先生とそうでない先生とでは大きな差があるでしょうし、社労士のキャリアによっては実務経験の差は大きくなってきます。
大手社労士事務所が「街角の社会保険支援センター」に認定されたものの、実際の応対は従業員なんて可能性もないとは言いきれません。
社労士を活用することは悪いことではないですが、もう少し詳細情報が出てこないとわからない面もあります。多くの社労士事務所には、縁のないニュースかもしれませんが、最近は”社労士が年金問題に協力”というニュースをよく目にするので、少し気になるニュースではあります。
【記事】 年金機構の相談センター、運営を委託・社保庁が合理化策 社会保険庁は22日、2010年に発足する日本年金機構の業務の合理化に向けた検討状況を発表した。全国54カ所に設置予定の相談センターのうち、まず半数程度を社会保険労務士会に委託。一定の要件を備えた社会保険労務士事務所を「街角の社会保険支援センター」として認定し、厚生年金適用の届け出を電子申請する際の手続き簡素化も打ち出した。 日本年金機構のあり方を検討する年金業務・組織再生会議(座長・本田勝彦日本たばこ産業相談役)の同日の会合で表明した。相談センターの外部委託化は状況をみて対象を拡大する方針。ただ、再生会議の委員からは「もっと社労士や市町村の活用を広げるべきだ」などと追加策の検討を求める声が相次いだ。 (2008年2月22日 日本経済新聞) |
