2008年01月16日

日雇い派遣の指針案 就業場所の巡回求める−厚労省


 ”指針”だけでは拘束力はないのですが、この内容では効力が薄いのでは…というのが第一印象。「派遣元と派遣先双方に対し、実際の就業場所を巡回して契約通りか確認する」とありますが、派遣元も派遣先もそんな暇はないだろうし、自ら法令違反するような法令順守の姿勢に欠けている会社が、自ら確認などしないだろう。”派遣元と派遣先にお任せ”ではなく、行政がもっと現場に調査に行くべきではないだろうか。もっとも、行政側も人がいません…ということになるのでしょうが。

 派遣法改正案の通常国会提出は見送られる方向ですが、派遣業界の現状を考えると、法改正など規制の見直しは早急に必要だと感じる。

 グッドウィルの登録スタッフは、1999年には22万人だったのが、2007年には274万人にもなっている。働き方が多様化し、製造業への派遣解禁など規制緩和が少なからず影響しているだろう。

 「データ装備費」にしても、日給から200円をピンハネしていたことは、厚生労働省も早くから実態を知りながら放置してきた。労働者の安全という名目で徴収されていたが、被災労働者に利用されていなかったのも明らかだ。

 日雇い派遣はワーキングプアの一因とされていますが、それ自体は一つの働き方であり、労使ともにニーズもあるため悪いとは思いませんし、派遣法の規制緩和が悪いとも思いませんが、労働者保護の観点から、最低限の労働基準法にも満たない、安全無視、ピンハネ、…などには厳重に処罰するべきだろう。労働者を使い捨てにするような状態は許されない。

 金儲け優先で、こうした人材ビジネスの違法行為はほとんど確信犯に近く、法律が改正されると、また新たな抜け穴を模索する人間がいる。

 難しい問題を含んでいるにせよ、派遣業許可基準や更新基準の厳格化や罰則の強化、抜き打ち調査で賃金台帳等の帳簿書類を確認することぐらいはできるだろう。

 派遣業は、一度目を付けられると他の業種よりも調査が頻繁にあり、厳しいとも言われていますが、許可や届出が必要な事業としてのモラルを求めたい。

 グッドウィルやフルキャストが処分を受けたことで、中小の派遣会社も、”労働者のタレ込み”で、会社の行方が左右されるような可能性もあり得るのですが、使用者側の意識が少しでも変化していることを望みたい。
【記事】

 就業場所の巡回求める 日雇い派遣の指針案 厚労省

 日雇い派遣の規制を強化するため、厚生労働省が新設する指針の原案が15日、明らかになった。派遣大手グッドウィルへの事業停止命令の理由ともなった二重派遣を防ぐため、派遣元と派遣先双方に対し、実際の就業場所を巡回して契約通りか確認することを要求。業界に横行する給与からの不正な天引きの禁止なども求め、労働者保護を強く打ち出している。

 16日の労働政策審議会(厚労相の諮問機関)の部会で示し、月内に最終案をまとめる方針。

 指針案は労働者派遣法に基づくもので、1日単位か30日以内の労働者派遣を行う派遣元企業と派遣先企業が対象。違反すれば行政指導の対象にもなる。

 派遣元に対しては、「データ装備費」などの名目で1日数百円を天引きする企業が多いことから、使途が明白で労使協定を結んだ場合以外は「不適正な控除が行われないようにする」と明記。現場への集合から作業開始までの拘束時間の賃金を支払わない例が多いため、「労働時間を適正に把握し、賃金を支払うこと」を求めている。

 また、労働条件や賃金といった基本的な労働条件を労働者に書面で明示するよう定め、なるべく長期間の派遣契約を結ぶ努力や職業能力の向上を図ることも求めた。

   (2008年01月16日 asahi.com)


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posted by 千葉は千葉でも@幕張本郷 at 17:34| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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