2011年05月09日

大阪の労働者、求人と違い「原発で作業」


 日雇い労働者が多く集まる大阪・西成区のあいりん地区で、東日本大震災後、”宮城県でのダンプの運転手”の求人に応募した男性労働者が、福島第1原発で防護服を身に付け、がれきの撤去作業の労働を強いられていたことがわかったというニュースです。

 なぜ、契約内容が大きく変更されたのか? あるいは言われているように、立場の弱い日雇労働者をウソの求人で雇って危険な場所に送り込んだと捉えられかねません。

 「募集時の内容」と「実際の労働の内容」が違うというトラブルもよく起こりがちです。

 現在は雇用環境も悪化し、仕事を選ぶ余裕もないご時勢ですので、このようなことも起こりやすくなっているのでしょう。

 原発事故は現在も放射能漏れが続き、原発事故が収束していない中でのこうしたニュースは残念なことです。

 使用者が労働者を採用するときは、賃金・労働時間その他の労働条件を書面などで明示しなければなりません。(労働基準法第15条)

 明示された労働条件が事実と相違している場合、労働者は即時に労働契約を解除することができますし、この場合、就業のために住居を変更した労働者が、契約解除の日から14日以内に帰郷する場合、使用者は旅費等を負担しなければならないことにもなっています。(労働基準法第15条)


 ちなみに労働条件の明示については、労働基準法(第15条)および労働基準法施行規則(第5条)で定められています。

 絶対的必要記載事項として「書面」で明示しなければならない事項は次の通りです。

(1)労働契約の期間
   (期間の定めのない雇用契約も当然OKです)
(2)就業の場所、従事する業務の内容
(3)始業・終業時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇、交替勤務がある場合には就業転換に関する事項   
(4)毎月の賃金の決定・計算および支払方法、賃金締切、支払いの時期、昇給に関する事項
(5)退職に関する事項(解雇の事由含む)


 また、定めをした場合に明示しなければならない事項は次の通りです。

(1)退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算・支払いの方法および支払時期
(2)臨時に支払われる賃金、賞与および最低賃金額に関する事項
(3)労働者に負担させる食費、作業用品などに関する事項
(4)安全・衛生
(5)職業訓練
(6)災害補償・業務外の傷病扶助
(7)表彰・制裁
(8)休職


 募集時の労働条件と実際の労働条件が違っていて、トラブルなどが起こらないように注意してほしいと思います。

【記事】

 求人と違い「福島原発で作業」 大阪・西成の労働者

 日雇い労働者が多く集まる大阪市西成区のあいりん地区で、東日本大震災後、宮城県で運転手として働く条件の求人に応募した男性労働者から「福島第1原発で働かされた。話が違う」と財団法人「西成労働福祉センター」に相談が寄せられていたことが8日、関係者への取材で分かった。

 センターは求人を出した業者側の調査に乗り出し、大阪労働局も事実関係の確認を始めた。支援団体は「立場の弱い日雇い労働者をだまして危険な場所に送り込む行為で、許されない」と反発している。

 関係者によると、センターが3月17日ごろ、業者からの依頼をもとに「宮城県女川町、10トンダンプ運転手、日当1万2千円、30日間」との求人情報を掲示。応募して採用された男性は東北に向かった。

 ところが雇用期間中の3月25日ごろ、男性からセンターに「福島第1原発付近で、防護服を身に着けがれきの撤去作業をしている。求人は宮城だったのにどうなっているんだ」と電話があった。

 これを受け、センターが雇用終了後に男性や業者側に聞き取りをしたところ、男性が一定期間、防護服を着て同原発の敷地内での作業に従事していたことが判明した。

 東京電力によると、原発敷地内では同社の社員以外に協力会社の労働者ががれき撤去や電線敷設などの作業をするケースがあるというが、センターは「男性の詳細な作業内容はつかめておらず、さらに聞き取りを進める」としている。

 労働者らを支援するNPO法人釜ケ崎支援機構は「初めから原発と言ったら来ないので、うそをついて連れて行ったともとられかねない。満足な保障もない労働者を使い捨てるようなまねはしないでほしい」と話した。

 あいりん地区は日雇い労働者が仕事を求めて集まる「寄せ場」としては国内最大とされる。同センターは大阪府が官民一体で労働者の職業の確保などを行う団体。

   (5月8日 共同通信)


posted by 千葉は千葉でも@幕張本郷 at 16:39| ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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