2010年01月16日

内部告発後の異動「正当」 オリンパス社員の請求棄却


 内部告発後に人事異動があると、「報復人事なのでは?」と従業員側は思うことでしょうが、下の記事は、会社側が勝った例です。

 「公益通報者保護法」は2006年4月に施行されていますが、その中には社内の不正を告発した従業員に対して、
 ● 解雇の無効(第3条)
 ● 労働者派遣契約の解除の無効(第4条)
 ● (降格、減給その他)不利益取扱いの禁止(第5条)

の一文があります。

 内部告発は、一般的には会社組織に打撃を与えることが多く、また、懲戒事由に該当することもあります。内部告発に正当性があれば社会的意義があり、組織にとっても長期的には利益になるものと思われます。

 過去の裁判例をみると、
 ● 内部告発の真実性
 ● 告発目的の公益性
 ● 告発内容の組織への重要性
 ● 内部告発の手段や方法の相当性

などを総合的に考慮したうえで、内部告発が正当かどうかが判断されています。


 下記のオリンパスの件では、内部告発後に配置転換があったため、男性社員が「報復目的なのでは?」と訴訟を起こしたわけですが、東京地裁は「会社に不当な目的は認められない」として請求を棄却しています。

 一般的には、大企業には”コンプライアンス通報窓口”なる部署がありますが、部署というよりはほんの数人で構成されていて、本来は別の仕事がメインで兼務しているケースもありますし、実際には専属で仕事をするほどしょっちゅう仕事があるわけでもないでしょう。

 また、人事や総務に内通していたり、告発内容を人事や総務に開示されたりしているケースもあるようで、実際は”コンプライアンス窓口”に通報するというのは怖くて簡単には出来ないような気もします。

 しかしながら、コンプライアンス重視と言いながら法律や規則を守れない会社であれば、企業イメージの悪化は避けられませんし、長期的に見れば会社の繁栄が続くことはないでしょう。

【記事】

 内部告発後の異動「正当」 オリンパス社員の請求棄却

 社内のコンプライアンス(法令順守)窓口への通報内容を漏らされ、不当な配置転換を受けたとして、大手精密機器メーカー「オリンパス」(東京)の社員浜田正晴さん(49)が、会社や上司に異動先で勤務する義務がないとの確認などを求めた訴訟の判決で、東京地裁は15日、「会社に不当な目的は認められない」として請求を棄却した。

 田中一隆裁判官は判決理由で「配転命令による原告の不利益は、賞与減額を前提としてもわずかなもので、命令が報復目的だったと容易に認定しがたい」と判断した。

 判決は、通報について「原告は人事部などに開示されることを承諾しており、内容も抽象的」と指摘した上で「業務と人間関係両側面の正常化が目的だったと社は認識していた。公益通報者保護法が保護する『通報対象事実』に当たる通報だったと認めることはできない」と結論付けた。

   (2010/01/15 共同通信)

posted by 千葉は千葉でも@幕張本郷 at 18:00| ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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