2009年01月08日

経団連・連合、ワークシェアリング議論へ 雇用確保策を検討


 雇用環境が厳しくなっているのは報道されている通りですが、日本経団連の御手洗冨士夫会長(キヤノン会長)は6日の記者会見で、ワークシェアリングについて言及していました。

 そして、日本経団連と連合の労使が、ワークシェアリングの議論を始めることがわかりました。


 ワークシェアリング(work sharing)とは、その名の通り”仕事の分かち合い”という意味です。

 一人当りの労働時間を短縮し、相互に仕事を分け合うことによって、雇用機会を拡大し、失業者の発生を抑えようという考え方のことです。 また、雇用人数はそのままで、労働時間を減らして賃金をカットすることによって、リストラを回避するための手段にもなります。

 第1次石油ショック後の世界的な景気後退の中で、欧米諸国は失業者の増大に悩まされました。この解決策の一つとしてワークシェアリングが盛んに議論されました。世界では、ドイツやフランス、オランダなどでは早くから導入され、すでに失業率低下の効果が出ている地域もあります。オランダでは、80年代前半の失業率が12%だったのが、2001年には3%を下回るまで低下するなど、一定の成果を見せています。

 日本の場合、古くから終身雇用制や月給制などの独自の雇用慣行があったため、必ずしも時間短縮=雇用増とはならないという考え方が一般的ですし、 現実に日本においてはワークシェアリングが浸透しているとはいえません。日本人は勤勉で、”勤勉が善”という考えがあることもその一因でしょうか。

 2002年に厚生労働省、日経連、連合が中心となって話し合い、「ワークシェアリングについての基本的な考え方」について合意されていますが、 その後景気が持ち直したため、企業でワークシェアリングを導入する動きが広がらなかったという経緯があります。

 急激な少子高齢化に直面している日本では、労働力人口は既に減少に転じています。2007年以降に団塊の世代が定年を迎えたことで、さらなる労働力人口の減少が見込まれます。そのため、短時間勤務や隔日勤務などの多様な働き方の選択肢を模索していくことについては、社会全体で取り組む必要があるでしょう。

 理論上は、労働者にとっては、仕事が早く終わり、時間に余裕が出来ることによって、自己研鑽等、仕事以外のことに触れる機会が増え、余暇の増加に伴い消費が活性化することが考えられます。一方、企業にとっては、従業員の頭数が増えるため、社会保障費、従業員訓練にかかるコストが増加するということが考えられます。

【記事】

 経団連・連合、ワークシェア議論へ 雇用確保策を検討

 日本経団連と連合の労使が、働き手の労働時間を短縮して仕事を分け合い、雇用の維持に努める「ワークシェア(仕事の分かち合い)」の議論を始めることがわかった。景気が冷え込む中で製造業の減産が相次いでおり、雇用をなるべく守る有力な手段として検討する。通常は賃下げを伴うため、日本では過去の不況期にも根付かなかった経緯があり、議論が進むか不透明な面もある。

 経団連と連合が15日に雇用対策の会合を開いて話し合う見通し。連合の高木剛会長は7日、都内の賀詞交換会で「ワークシェアは難しい話だが、経営側と公平に議論をしたい」とあいさつした。経団連の御手洗冨士夫会長も6日、雇用確保策について「ワークシェアは選択肢の1つだ」との認識を示していた。

   (2009年1月8日 日本経済新聞)
posted by 千葉は千葉でも@幕張本郷 at 20:58| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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