2008年12月29日

請負労働者の診断書偽造…結核2次感染招く


 ”経費削減”や”法律を知らなかった”ということを理由に、本来、事業者がしなければならないことをしていない会社は世の中には多くあると思います。

 大手ゼネコンなどの建設請負をしている神奈川県相模原市の業者が、労働者に健康診断を受けさせないで作業現場で働かせ、結核の2次感染が起きていたことが分かったそうです。

 しかも健康診断書を偽造しており、その偽造のやり方も、実際に医師が出した診断書の一部を修正液で消してコピーを重ねたり、院長名が入った市販印まで購入して押印していたというもの。

 契約先から健康診断を求められた際に、いつでも偽造診断書を提出できるようにしていたということで、常態としてこのようなことをしていたようです。

 仕事を受注したいということもあるのでしょうが、労働者の健康管理についてきちんとしていなかったというのは軽率ですし、偽造は悪質であるといえます。

 診断書の偽造などは昔からあったという証言もあるようですが、結核の2次感染が現場で起きており、労働者や家族への感染のおそれもあります。結核は戦前に比べたら激減しているものの、先進諸国に比べるとまだまだ多く、結核の危険性に対する日本人の関心低下も指摘されています。

 この会社に限らず、健康診断は正社員のみが受けられ、非正規労働者は健康診断を受けさせなくてもよい、あるいは受けられないと思っている方もいると思います。実際に非正規労働者が健康診断を受けられずに働いているケースも多いと思います。正規、非正規というのはあくまでも契約上のことであり、健康診断に限らず、労災などもそうですが、「非正規労働者は受けられない」と説明されているケースも実際には多くあるでしょう。

 仕事をするには体が資本であり、健康第一。労働者の健康には注意をし、きちんとした労務管理が求められます。


 労働安全衛生法および労働安全施行規則では、従業員の雇入れ時と、その後1年以内ごとに1回、定期的に一般の健康診断を実施しなければならないことになっています。また、健康診断については細かく定められています。

●労働安全衛生法 第66条 (健康診断)
 事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による健康診断を行なわなければならない。
 (2項以下省略)

●労働安全施行規則 第44条 (定期健康診断)
事業者は、常時使用する労働者(第45条第一項に規定する労働者を除く。)に対し、1 年以内ごとに1回、定期に、次の項目について医師による健康診断を行わなければならない。
 (以下省略)



 会社は従業員の健康康診断個人票を5年間保存し、これに基づいて従業員の健康管理や適切な配置転換などの措置を講じなければならないものとされています。

【記事】

 神奈川の業者、請負労働者の診断書偽造…結核2次感染招く

 大手ゼネコンなどの建設請負をしている神奈川県相模原市の業者が、労働者に健康診断を受けさせないで作業現場で働かせ、結核の2次感染が起きていたことが分かった。

 社長は契約先に、偽造した健康診断書や診断をしたとする虚偽の書類を長年にわたって提出していた。相模原労働基準監督署は労働安全衛生法(健康診断の実施)違反の疑いで社長の事情聴取に乗り出した。市保健所も感染経路などを調べている。景気後退による非正規労働者の契約打ち切りが問題となる中、労働者の健康を無視した悪質な労務管理の実態が明らかになった。

 この業者は、相模原市の「トウキュウ総建」=佐藤淳一社長(39)=。ゼネコンなどの下請けと業務請負契約を結び、関東各地の建設現場に30人近い労働者を出している。

 同社関係者によると、男性労働者(48)が11月12日、横浜市瀬谷区の作業現場で作業中に血を吐き、結核に感染していた。男性は今も入院中。保健所で調べたところ、男性を送迎していた同社社員(30)が2次感染したことが判明、社員は今月下旬まで入院していた。

 結核に感染していた男性は、同社と日雇い関係にあるが、2006年3月から継続的に働いていた。労働安全衛生法は、事業者に常時雇う労働者に年1回の健康診断などを義務付けているが、同社はこれまで一度も男性に健康診断を受けさせていなかった。

 男性は8月、同社が3次下請けとして受注した相模原市南清掃工場の新焼却炉建設現場で働くようになった際、同社が虚偽の健康診断実施日や病院名を記入した男性の就労カードを、1次下請けの大手ゼネコンに提出していた。

   (12月29日 読売新聞)
posted by 千葉は千葉でも@幕張本郷 at 09:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 事務所運営 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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