11月26日に当ブログでも「日本IBM、1000人規模で正社員の削減計画」というニュースを記事にしましたが、日本IBMの1000人規模で正社員の削減計画が報道されて以降、一部夕刊紙やネット上では、この実態は退職強要であるということが言われていましたが、どうやらそれも現実のようです。
非正規社員の「派遣切り」「雇い止め」や新卒の「内定取り消し」のニュースも多いのですが、日本IBMに限らず、正社員のリストラのニュースも多くなっています。
希望退職を募り、早期退職優遇制度を発表したりすれば、優秀な人材まで退職してしまう可能性があり、「48時間以内に退職を選べば支援金は出すが、断れば解雇する」などという言葉を使って、辞めてもらいたい社員に個別に肩たたきしているというのが実態なのではないかというのは想像が出来ます。
会社側は否定しているものの、「会社として最適なスキルと最適な人材配置で競争力の向上を図っている」というのも言い訳っぽく聞こえます。新聞記事を読む限りは、会社が「退職勧奨」の意味をわかっていないか、イメージ悪化を恐れて対外的にそのように発言しているという印象も否めません。
しかし、こういった報道が出るだけでも、従業員のモチベーションは低下し、会社のイメージ悪化は避けられないでしょう。景気悪化による退職強要として、労使の対立はますます激しくなりそうです。
過去の裁判によれば、会社の経営上の都合による整理解雇の要件として
@ 会社の存続を図るため、人員削減が必要であること
A 一時帰休、希望退職の募集等、解雇回避の努力をしたこと
B 被解雇者選定に合理性があること
C 労働者側との十分な説明・協議手続きがなされたこと
の4要件があり、これを総合的に判断して解雇権の濫用と認められるときには解雇は無効になるという考え方が定着しています。
労働契約法第16条では「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」とされています。
年末、そして2009年に向けて、リストラがますます本格化していくことが予想されており、本当に厳しくなってきます。世の中がますます閉塞感に漂ってきています。
| 【記事】 <日本IBM>千人規模の削減計画で退職強要? 労組が訴え 日本IBM(本社・東京都港区)が1000人規模の正社員削減を計画している問題で、同社の労働組合「JMIU日本アイビーエム支部」(橋本雄二委員長)が3日、東京都内で会見し「社員が退職を強要されている」と訴えた。 退職勧奨を数回断った社員が「48時間以内に退職を決意しなければ解雇する」と迫られるなど、労働契約法違反の行為が行われているという。会社側は強要を否定している。 組合が入手した社内文書などによると、10月上旬に会社側から管理職に通知があり、最大15カ月の退職金加算を示し、社内評価の下位15%の社員らを対象にリストラを実施することを求めたという。15%はグループ会社を含めると約3000人に当たる。 通知には社員の自由意志を尊重する旨の記述もあったが、退職勧奨を数回断った社員は「48時間以内に退職を選べば支援金は出すが、断れば解雇する」と退職を強要されたという。約150人の組合員のうち既に3人がこの手口で退職に追い込まれたという。労組は解雇予告を出させない仮処分などの法的措置を検討している。 組合の上部組織JMIUの三木陵一書記長は「会社の業績は今年7〜9月で前年比5%の減収、1%の減益に過ぎず、リストラの必要などない。不景気に便乗した退職強要は断じて認められない」と訴えた。 一方、日本IBMの広報担当者は「IT(情報技術)の会社として最適なスキルと最適な人材配置で競争力の向上を図っている。退職強要があるとは思わない」とコメントした。 (12月3日 毎日新聞) |
| 【記事】 正社員削減「このままだと自殺者」 日本IBM労組 「このままだと自殺者が出るかもしれない」。約1千人規模で正社員の人員削減を進めている日本IBMの労組側が3日、東京都内で記者会見し、「10月下旬から始まった退職勧奨が徐々に強まり、48時間以内に退職を選ばないと解雇すると迫られる社員もいる。法的手続きも検討したい」と訴えた。労組には10月下旬以降、退職勧奨を巡る相談が約80件寄せられている。 会見したのは、全日本金属情報機器労働組合(JMIU)幹部と、同労組日本アイビーエム支部の組合員ら。5人が退職勧奨された際の体験を語った。 「このままでは解雇もあり得る」。面談での「退職勧奨」を断った木村剛さん(58)は11月中旬、上司からこんなメールを受け取った。「脅しだと思いました」 勤続24年の中村明さん(51)は、1日付で発足した新しい部署に配属された。上司からは「退職勧奨を断った人を集めて新組織を作ったので、行ってもらう」と説明された。今のところ席はそのままで、これまで通り仕事を続けている。「仕事をやっていようがいまいがこうした仕打ちを受ける。これからどうなるか、不安だ」 同支部には、社員9人から「上司に48時間以内に退職届を出さなければ解雇すると言われた」との相談が寄せられ、その後、全員が退職を決めた。退職勧奨された社員の妻から「このままでは夫が自殺するかもしれない。退職強要をやめさせてほしい」という相談も来ている。 同社広報は「上司が業績の上がらない社員と今後のキャリアについて面談することはあるが、人員削減が目的ではない。個別の面談内容については把握していない」とコメントしている。 (2008年12月3日 asahi.com) |
| 【記事】 日本IBMが社員1000人規模の削減か、労組が抗議 日本IBM(本社・東京都港区)が、業績悪化の影響で大規模な正社員削減を進めているとして、同社の労働組合「全日本金属情報機器労働組合日本アイビーエム支部」が3日、都内で記者会見し、同社に抗議していることを明らかにした。 同社の正社員は約1万6000人だが、同労組は、入手した同社の内部資料をもとに「正社員削減は1000人規模で、最終的には3000人に上る可能性もある」としている。 正社員削減は10月から始まったといい、同労組によると、退職に応じない社員に何度も上司による面接が繰り返され、「48時間以内に退職を表明しないと解雇する」と言われたケースや、上司が男性社員の妻に「ご主人を辞めさせてください」と電話してきたケースなどがあったとしている。 同労組には、これまでに70〜80件の相談が寄せられているという。同労組は正社員削減の理由を、今年7〜9月期の利益が前年比マイナスになったためと推察している。 正社員削減について、同社の広報担当者は「社員に対し、社外への転出も含めた人事プログラムを実施中だが、詳細は言えない」と話している。また、「退職を勧奨したり、強要したりはしていない」としている。 (2008年12月4日 読売新聞) |




