パワハラや長時間労働によるうつ病に関するニュースは増えていますが、今回のケースは出向元、出向先双方ともに健康上の安全配慮義務があるという判決が言い渡され、ある意味画期的な判決といえると思います。
トヨタでは過去にも長時間労働が原因で労働者が死亡し、労災認定された事件があり、当ブログでも記事にしているように記憶しています。
労働時間の管理、長時間労働の削減努力、業務内容の見直しはもちろん、労働者が担当していた業務の過重性の評価や労働者が過重業務を訴えてきた時の相談体制なども整備しなければなりません。
また、「使い物にならない人はいらない」などと他の社員の前で叱責されるというのは職場では結構多いと思います。今回はうつ病の直接の原因とは言い難いと判断されていますが、こういう発言は労働者の尊厳を著しく傷つけることはいうまでもありません。
パワハラなどで社内の雰囲気が悪くなると、コミュニケーションやチームワークが悪化し、モチベーションも低下します。特に製造業では業務パフォーマンスも低下し、労災リスクも高まり、サービスの質や製品の品質の低下にもつながりかねません。
名ばかり管理職などもそうですが、世の中には同じような問題を抱えている人がたくさんいるはずです。企業としても、こうした報道をされることはマイナスイメージですし、職場環境が改善され、労働者の人権が守られるようになってほしいと思います。
| 【記事】 デンソーからトヨタに出向し、うつ病 両社に賠償命令 出向先のトヨタ自動車での過労やパワハラなどが原因でうつ病になり、休職を余儀なくされたとして、大手自動車部品メーカー「デンソー」の男性社員(44)が、両社を相手に休業損害や慰謝料など計約1900万円の賠償を求めた訴訟で、名古屋地裁(多見谷寿郎裁判長)は30日、請求を一部認め、両社に連帯して約150万円を支払うよう命じた。 判決はまず、デンソーと出向先のトヨタのいずれも、男性に対して健康上の安全配慮義務があったと指摘した。 さらに、うつ病の発症は、男性の出向後の勤務時間が大幅に増えたことや、業務内容が大きく変わって労働密度が高くなったことに加え、男性が精神的に弱かったことなどの複数の要因が重なったことが原因だと認定。男性がデンソーに戻ることを求めたのに、デンソー側は約束に反して出向を延長させたことから、うつ病を発症させたと認めた。 そのうえで、判決は「負担を軽減しなければ、うつ病を発症・悪化し、休職するおそれを予見できたのに、両社は業務を軽減するなどの義務を怠り、さらにデンソーは出向延長に配慮するなどの義務を怠った」と結論づけた。 一方、トヨタ社員の叱責(しっせき)については「表現は過酷でパワハラと評価されても仕方ないが、うつ病の直接の原因とは言い難い」と判断した。 判決によると、男性は99年8月から1年間トヨタに出向し、エンジン開発を担当。この間にうつ病となり、00年8月から約2カ月間休職した。 男性は判決後の記者会見で「うつ病で苦しんでいる人の励みになると思う。私のように苦しんでいる人が一人でも少なくなるよう、会社には改善してほしい」と話した。 ◇ 原告の男性の弁護士は「雇用主のデンソーだけでなく、出向先のトヨタの義務や責任を認めた点で意義のある判決だ」と評価した。 デンソーは「当社の主張が認められず遺憾だ」、トヨタは「今後の対応は判決文の内容を検討して判断したい」とのコメントを出した。 (2008年10月30日 asahi.com) |
| 【記事】 <デンソー労災>「業務軽減義務怠る」と賠償命令 名地裁 出向先での過重労働やパワーハラスメントなどが原因でうつ病を発症したとして、愛知県内に住む男性(44)が、自動車部品製造のデンソー(愛知県刈谷市)と出向先のトヨタ自動車(同県豊田市)を相手取り、約1880万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が30日、名古屋地裁で言い渡された。多見谷寿郎裁判長は「業務の軽減や援助する義務を怠った」と因果関係を認め、両社に休業損害や慰謝料など約150万円の支払いを命じた。 判決によると、男性は85年にデンソーに入社、エンジンの設計業務を担当した。99年8月〜00年8月にトヨタへ出向した際、新型エンジンの開発に就き、担当者から「使い物にならない人はいらない」などと他者の面前で叱責された。男性はうつ病を発症、00年8月から約2カ月休職した。 弁護側は、男性が発症前に月90時間を超す過重労働やパワハラ発言を受け、企業側に過重労働を伝えていたにもかかわらず何の対策も講じなかった安全配慮義務違反があったと主張。企業側は「原告の労働時間、健康管理は権限の範囲外」(トヨタ)「業務は精神疾患を発症させるほど過重なものではない」(デンソー)などと反論していた。 判決はトヨタに対し「信義則上、安全配慮義務を負っていた」と判断したほか、過重労働について、男性が発症前に月80時間を超す時間外労働をしていたと認定。「それだけで発症の危険性を高める程度ではない」としながらも、男性の性格面などを総合的に検討し「危険を招く程度には優に達しているというべき」と予見可能性があったとした。パワハラ発言については発症に直接寄与したことは認めなかったが「パワハラと評価されても仕方ない」とした。 ▽トヨタ自動車の話 今後の対応は判決文の内容を検討した上で判断したい ▽デンソーの話 主張が認められず遺憾。判決内容の詳細を確認した上で対応を検討します (10月31日 毎日新聞) |
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