2010年07月31日

ハサミ投げに小部屋閉じ込め…大阪の職場いじめ


 就業環境や雇用形態の変化等により、セクハラやパワハラをはじめ、 退職勧奨を目的とした職場ぐるみのいじめなども増加傾向にあるようです。

 大阪労働局の調査によると、2009年度に受け付けた民事上の個別労働紛争に関する相談が、前年度より11・4%増加し、過去最多の2万2472件に上ったことがわかったそうです。

 このうち、「退職勧奨」「職場でのいじめ・嫌がらせ」「雇い止め」が急増しています。

 経営環境の厳しさもありますが、事業主側にも『容易に解雇はできない』という意識が高まっているのか、陰湿ないじめやパワハラにより、自主退職に追い込もうという動きが目立っています。

 こうしたことは以前からもありましたが、労働者も労働基準法に詳しくなったりしているので、泣き寝入りするケースも依然として多いのですが、公的な機関に相談したりするケースも増えています。

 それにしても、いじめの内容が、大人げないことも多いようです。

 いじめ・嫌がらせといっても様々ありますが、仕事に支障を与えるほどの問題については、単に個人的な問題というよりは、 職場での問題として捉えていく必要があるでしょう。

【記事】

 ハサミ投げに小部屋閉じ込め…大阪の職場いじめ

 大阪労働局が2009年度に受け付けた民事上の個別労働紛争に関する相談が、前年度より11・4%増加し、過去最多の2万2472件に上ったことがわかった。

 内訳では「退職勧奨」(2825件)、「職場でのいじめ・嫌がらせ」(2701件)、「雇い止め」(1227件)がいずれも5年前に比べて倍増、合わせて全体の約3割を占めており、同局は「経営環境の厳しさから、自主退職に追い込もうという動きが出ているのでは」と分析している。

 同局は労使間の民事上のトラブルについて、助言・指導を行うほか、紛争調整委員会によるあっせんで解決を促している。

 このうち、「いじめ・嫌がらせ」で指導・助言やあっせんに至ったのは184件で、その7割は上司によるもの。

 具体的には、▽「職場の雰囲気を和ませるため」とハサミを投げつけられた▽体調不良を申し出たら、「俺もうつになりたい」と嫌みを言われた▽上司のいじめを苦に自殺を図ったら、雇用主に「君が死んでも関係ない」と暴言を吐かれた――などで、「退職勧奨を拒んだら狭い部屋に入れられ、『トイレと食事以外は動くな』と強要され、退職を余儀なくされた」との事例もあったという。

 同局は「企業側に『容易に解雇はできない』という法令順守の意識が高まっており、職場内で自主退職に追い込む態度や発言が目立つのは、その反動ではないか」としている。

    (7月30日 読売新聞)


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2010年07月29日

クリーニング工場で熱中症、室内で労災事故


 連日、暑い日が続いており、熱中症で死亡というニュースを目にしますが、職場においても熱中症による労災死亡事故が発生しているようです。

 屋内、屋外問わず、高温多湿の場所で仕事をしている方、その上司の方、そして会社全体で、健康管理には注意しましょう。

 こまめに休憩をとり、無理することなく、水分を取るなどして注意しましょう。

【記事】

 クリーニング工場で熱中症、室内で労災事故

 山梨労働局は26日、熱中症による労災死亡事故が今月16日に山梨県都留市のクリーニング工場で発生したと発表した。

 県内の熱中症による労災死亡事故は2008年7月以来、2年ぶり。

 発表によると、16日午後0時25分頃、都留市のクリーニング会社の工場内で、回収した洗濯物を洗濯機に供給する機械に、洗濯物を入れる作業をしていた同社の男性社員(37)が、機械の前であおむけで倒れているのを上司が発見した。男性社員は病院に搬送されたが、2日後に死亡し、死因は熱中症による多臓器不全だった。当時の気温は33度程度と見られる。

 同労働局によると、2000年以降で見ると、県内の熱中症による労災事故は6件発生。うち死亡事故は、08年7月に北杜市の道路工事現場で、草刈り作業をしていた男性が死亡したのに続いて2例目。屋外で作業をする職業で多く発生し、室内での熱中症による労災事故は初めてという。

 同労働局は県内の各事業所に、高温多湿な場所での作業時間を短縮したり、こまめに水分を取るなど注意をして作業にあたるよう注意を呼びかけている。

   (2010年7月27日 読売新聞)


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2010年07月28日

真冬に大型扇風機で強風当てパワハラ…東京地裁が賠償命令


 外資系消費者金融「日本ファンド」の契約社員ら3人が、元上司から真冬に扇風機で強風を当て続けられるなどのパワハラを受けたとして同社などに損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁は慰謝料など総額146万円の支払いを命じました。

 喫煙者である原告らに「たばこ臭い」などと言って、真冬に業務用大型扇風機3台を「強風」にし、後方から一日中風を当て続け、中には真後ろまで近づけて風を当てることもあったとのことで、原告の1人はうつを患い、1カ月間休職したとのこと。

 また、元上司は原告らに「給料をもらっていながら仕事をしていませんでした」との内容の始末書を書かせたり、「よくこんなやつと結婚したな」などと暴言を吐いたり、怒りにまかせて突然殴ったりしていたそうです。

 明らかな嫌がらせであり、パワーハラスメントですし、暴力はいけません。

 セクハラ・パワハラが広く認識されている現在でも、いまだにこのような上司が存在していることも驚きですが、会社側の「空気を循環させただけ」などという反論も、全くパワハラという認識がないようです。

 真冬に業務用大型扇風機3台を1日中当てていたら、社員は仕事にならないでしょうし、社員の健康も悪化してしまい、安全配慮義務も無視しています。

 パワハラにおいては、上司個人だけでなく会社も法的責任を問われるケースも多くあります。人格侵害による損害賠償責任を負うこともありますが、パワハラにより被害者がメンタルヘルス不全に陥った場合には、業務上の理由として労災給付の対象となることもありますし、内容によっては、職場環境配慮義務違反として事業主の責任が問われます。

 こうして報道されれば企業の評判は一気に落ちますし、日頃から職場の雰囲気を気にかけ、上司への教育もしっかりしないといけません。

 たばこの臭いは禁煙者にとっては嫌なものでしょうが、”臭いのは上司も一緒”。

【記事】

 たばこ臭いと扇風機、パワハラ認定146万円

 「たばこ臭い」として真冬などに至近距離から扇風機をあてられるなどのパワーハラスメント(職権による人権侵害)を受けたとして、外資系消費者金融「日本ファンド」(東京都品川区)の契約社員3人が、同社や元部長の男性に慰謝料など計約736万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が27日、東京地裁であった。

 石井浩裁判長は「嫌がらせ目的で不快感を与え続け、著しい精神的苦痛を与えた」とパワハラを認定し、同社と元部長に計約146万円の支払いを命じた。

 判決によると、元部長は2007年12月、喫煙者の契約社員2人に向け、一日中、風が直接当たるように扇風機を固定。約半年間にわたって風を受け続けた1人は抑うつ状態との診断を受け、約1か月休職した。また、元部長は3人に「給料をもらっていながら仕事をしていませんでした」という内容の文書を提出させたり、怒りにまかせて突然殴ったりしていた。

   (7月28日 読売新聞)

【記事】

 <パワハラ>真冬に大型扇風機で強風…東京地裁が賠償命令

 外資系消費者金融「日本ファンド」(東京都品川区)の契約社員ら3人が、元上司から真冬に扇風機で強風を当て続けられるなどのパワハラを受けたとして同社などに損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁は27日、慰謝料など総額146万円の支払いを命じた。会社側は「空気を循環させただけ」などと反論したが、石井浩裁判長は「嫌がらせ目的で精神的苦痛を与えたことは不当行為に当たる」と判断した。

 訴えていたのは、30〜40代の契約社員ら3人。

 判決などによると、同社の部長だった元上司は07年12月から約半年間、喫煙者である原告らに「たばこ臭い」などと言って業務用大型扇風機3台を「強風」にし、後方から一日中風を当て続けた。真後ろまで近づけて風を当てることもあり、原告の中で最も強い風を受けていた1人は08年6月にうつを患い、1カ月間休職した。

 また、元上司は原告らに「給料をもらっていながら仕事をしていませんでした」との内容の始末書を書かせたり、「よくこんなやつと結婚したな」などと暴言を吐くこともあった。

 3人は同年6月、出版情報関連ユニオンに加入し、会社側に団体交渉を申し入れたが、受け入れられなかったため、提訴していた。

 判決について、原告の一人は「契約社員という弱い立場のため、反発できなかった。パワハラの事実が認められてうれしい」と話した。

   (7月27日 毎日新聞)


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経営者最大の悩みは「人材育成」 実態調査で「収益性」上回る


 NTTレゾナントが発表した調査結果によると、経営層が認識している内部的な課題のトップは「人材育成」であることがわかりました。

 「人」や「人材育成」が重要であることは言うまでもないのですが、世の中には「人」が大事と言いながら、「カネ」のほうを追い求めている経営者もたくさんいます。 

 リーマンショックの後遺症からはまだ立ち直っているとは言い難い状況の中で、果たして経営者のホンネが調査結果に表われているのかという疑問もなくはないですが、調査結果のように「人材育成」が見直されていることは良いことです。

 人材育成は時間がかかり、中長期的な課題ではありますが、やはり企業の根幹を担うのは「人」ですので、「人材育成」を重視している会社は、強い会社になっていくと思います。

 調査結果を見ると、今後重要性が高まると考えられている人材層は「経営・上級管理職」であり、経営層が求める人材イメージとしては、「課題を明確化でき、解決策を考える」「目標達成への信念を持っている」の回答が多く、「顧客を最優先に考え行動する」「スピードを重視する」といった回答が増えているとのことです。

ひらめき第5回「企業における人材育成実態調査2010」調査結果(NTTレゾナント)

【記事】

 経営者最大の悩みは「人材育成」 実態調査で「収益性」上回る

 企業経営者の抱える「内部的な課題」のトップが人材育成であることが、NTTレゾナントが26日発表した調査結果でわかった。

 調査は同社が5〜6月にかけて国内の株式公開・非公開企業189社に実施した「企業における人材育成実態調査」。経営層が認識している内部的な課題は、昨年2位だった「人材育成」の回答が78.8%で最も多く、昨年1位だった「収益性向上」(70.4%)を逆転した。

 結果について同社は、「喫緊課題であった収益性の向上が業績改善で遠のき、中長期的な課題である人材育成の重要性が再び高まっている」と分析した。

 また人材開発の予算の傾向については「変更の予定なし」(42.8%)が最も多かった一方で、「減少傾向にある」が25.1%と、昨年の44.7%から19.6ポイント減少した。

 企業は2009年時点で人材開発予算を減少させていて、さらなる削減には余地が小さくなっている事情がある。同社は「リーマンショック以降の減少傾向に歯止めがかかりつつある」とみている。

 同調査は06年から人事・人材育成部門の管理職以上を対象に実施しているもので、今年で5回目。

   (2010.7.26 フジサンケイビジネスアイ)


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2010年07月27日

女性86.44歳、男性79.59歳 平均寿命また更新


 厚生労働省より、平成20年簡易生命表が公表されました。

 2009年の日本人の平均寿命は女性が86.44歳、男性が79.59歳と、ともに4年連続で過去最高を更新しています。女性は25年連続で世界一を維持しています。
 

ひらめき平成21年簡易生命表の概況について


 毎年この時期に簡易生命表の発表があり、昨年も記事にしているのですが、長生き出来ることは本来は良いことなのですが、長寿リスクというものがあります。

 日本は超高齢化でしかも少子化格差社会でもありますし、国民年金すら払っていない人もおり、将来の年金がもらえないという人も出てきますし、老後の生活資金に不安のある人も多くいます。

 老老介護孤独死が増えていて、素直に長寿社会を喜べないという日本の社会の状況があります。

 最近意識しているのが「健康寿命」について。

 日本人の健康寿命は、男性は72〜73歳、女性では77歳〜78歳と言われています。

 平均寿命が延びるという事は、喜ばしい話題ではありますが、健康でいられることが何よりだと思います。

【記事】

 女性86.44歳、男性79.59歳 平均寿命また更新

 日本人の2009年の平均寿命は男性79.59歳、女性86.44歳で、いずれも過去最高を4年続けて更新したことが26日、明らかになった。女性は25年連続の世界最長寿で、男性は5位だった。がん、心疾患、脳血管疾患の3大疾患と、肺炎の死亡率が全体的に下がったことが影響した。

 厚生労働省がこの日発表した「簡易生命表」でわかった。前年の平均寿命より、男性は0.30歳、女性は0.39歳延びており、前年の延び(男性0.10歳、女性0.06歳)を大きく上回った。

 厚労省によると、男性の平均寿命の1位はカタールの81.0歳(07年)。前年より4.3歳延びていた。2位は香港で、アイスランドとスイスが続いた。女性は日本に次ぐのが香港で、フランス、スイス、スペインの順。

 日本人が3大疾患で死亡する確率は男性54.65%、女性51.84%で、いずれも前年より下がった。3大疾患が克服されると、男性は87.63歳、女性は93.43歳まで平均寿命が延びるという。

   (2010年7月26日 asahi.com)


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2010年07月24日

スケートコーチの地位保全認めず=浅田選手らの靴調製―横浜地裁


 2010年4月6日の当ブログで”浅田真央選手、キム・ヨナ選手らの「研ぎ職人」、解雇無効求め仮処分申請/神奈川”という記事を書きましたが、その続報です。

 4月の新聞記事には「業務委託」かそうでないかが争点であることは一切触れられていなかったので、記事の範囲でしか詳細はわからないという前提で”解雇には合理性と相当性が必要”みたいなことを書いていました。

 しかし、今回は「男性の都合で担当するスケート教室を変更できるなど指揮監督下にあったとはいえない」として「雇用契約ではなく業務委託契約だった」と決定されています。

 契約が書面ではなく口頭で交わされているのも、お互いが契約内容を確認できずに曖昧になっている面もあるでしょう。

 これも記事の範囲でしかわからないのですが、今後の行方が注目されます。

【記事】

 スケートコーチの地位保全認めず=浅田選手らの靴調製―横浜地裁

 アイススケート教室を運営している財団法人「神奈川体育館」(横浜市神奈川区)に不当解雇されたとして、フィギュアスケートコーチの男性(62)が地位保全などを求めた仮処分申請について、横浜地裁は23日までに「雇用契約ではなく業務委託契約だった」として、却下する決定をした。決定は22日付。

 男性はスケート靴の調整技術で世界的に知られ、浅田真央、安藤美姫、韓国のキム・ヨナ各選手のスケート靴を調整していた。

 男性側は体育館の指揮監督下にあり、雇用契約だったと主張したが、薄井真由子裁判官は「男性の都合で担当するスケート教室を変更できるなど指揮監督下にあったとはいえない」として退けた。

 男性は「残念だ。すぐ本訴になると思う」と話している。 

   (7月23日 時事通信)

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2010年07月23日

職場においても熱中症や冷房病に注意しましょう!


 連日の厳しい猛暑が続いています。


 昨日は、岐阜・多治見市は39.4度となり、全国で熱中症で病院に搬送されたり、中には死亡する人も出ているというニュースもあります。


 東京や千葉でも最高気温が36度以上の猛暑日が続きました。


 この暑さは土曜日まで続く見込みのようですし、9月も残暑が厳しくなると予想されています。今年の夏は例年以上に暑くなりそうです。


 また、エアコンへの頼り過ぎで30年前よりも熱中症での死亡率が6倍に上がっているというニュースもありました。


 室外と室内の温度差に、気づかないところで体の対応力に無理が生じているのでしょう。


 自分のまわりにも、電話でせきをし続けている役所の人や、風邪をひいているという関与先の社長さんもいらっしゃいます。


 こうなると、職場でも家庭でも、熱中症対策や冷房病対策が必要になります。


 厚生労働省より「職場における熱中症の予防について」というパンフレットが出されています。



ひらめき職場における熱中症の予防について」(厚生労働省)



 水分の補給や適度の休憩は必要となってきます。 


 屋外で働く現場作業員、ヒートアイランド現象の都会のビルの間をスーツを着て移動している営業マンや就活の学生も大変ですが、この暑い夏を元気に乗り切りましょう!


 働く人は健康が第一。冷たいものの食べ過ぎ、飲み過ぎにも注意しましょう。


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2010年07月22日

入管天下り先の公益法人処分、外国人に残業


 また外国人研修・技能実習制度に関するニュースです。

 外国人研修・技能実習生の第1次受け入れ機関になっている社団法人「経営労働協会」が、名古屋入国管理局から3年間の受け入れ停止処分を受けていたことがわかりました。

 同協会は厚生労働省所管の社団法人で、元東京入国管理局長が理事長を務め、理事にも元入管幹部が就任するなど入管からの天下り先になっているとのことで、「天下り法人」が行政処分を受けるのは異例とのことです。
 
 外国人研修・技能実習制度については、これまで当ブログでも何度も伝えてきたので、制度の内容については触れませんが、同制度を巡って、研修生の長時間労働や低賃金が問題となり、法的な保護の強化を目的に、改正入管難民法が今年7月から施行されたばかり。

 これも氷山の一角なのですが、この制度に限らず「どこも同じようなものだ…」と何もしない、あるいは手を抜いていては、物事は一向に良くなりません。

 研修生の数も多いですし、第1次受け入れ機関が研修状況などを把握することは事実上出来ないのでしょうし、過去にも行政処分を受けてきたとのことなので、する気もないのでしょうが、今回の停止処分は何やら”見せしめ”的な印象もあります。  

 「青壮年の働き手に先進国の進んだ技術・技能や知識を修得させ、自国の経済発展と産業振興の担い手となる人材を育成する」とか「外国人研修生・技能実習生に日本の進んだ技術の移転を図り、自国の経済発展に役立てて貰う事により、国際協力・国際貢献になる」などといった趣旨は名ばかりで、第1次受け入れ機関がブローカー化し、”低賃金で働かせ、管理費として金銭を徴収するなど脱法行為が平然と行われている”などとも言われています。

 一時問題になった日雇い専門の派遣会社のようなイメージで低賃金労働者紹介会社化してしまっており、制度の目的が実態には沿っていないことがますますクローズアップされています。国の責任や制度に対するさらなる取り組みの改善も必要でしょう。

【記事】

 入管天下り先の公益法人処分、外国人に残業

 外国人研修・技能実習制度で、第1次受け入れ機関となっている厚生労働省所管の社団法人「経営労働協会」(東京都千代田区)が、研修先企業での所定時間外労働を見逃す不正行為をしていたとして、名古屋入国管理局から今年4月、3年間の受け入れ停止処分を受けていたことが分かった。

 同協会の柴田博一理事長は元東京入管局長で、理事にも元入管幹部が名を連ねる。「天下り先」の公益法人が行政処分を受けるのは極めて異例。

 同制度を巡っては、研修生の長時間労働や低賃金が問題となり、法的な保護の強化を目的に、改正入管難民法が今月から施行されたばかり。元入管局長が理事長を務める受け入れ機関でさえ、傘下企業への指導、監督態勢がずさんだった実態が浮かび上がった。

 同協会によると、愛知県内の縫製工場で昨年、協会を通じて受け入れた中国人研修生3人が、長期間にわたって休日の土曜日などに残業をさせられていた。同県内の研修生を救済する団体の指摘を受け、調査した法務省が、国の「研修生及び技能実習生の入国・在留管理に関する指針」に違反し、研修計画に記載されていない休日作業をさせていたことを確認したという。

 第1次受け入れ機関は定期監査をし、傘下企業の研修状況などを把握することが義務付けられている。同協会は2008年にも不法残留の中国人が実習をしていたとして名古屋入管から行政指導を受けていた。

 柴田理事長は読売新聞の取材に対し「研修先の企業が所定時間外労働をさせたため処分を受けた」と認めたうえ、「入管OBに監督を依頼してきたが、研修生が多すぎて目が届かなくなってしまった。責任を感じている」と話した。協会は約1000人の研修生を受け入れているが、半数は別の受け入れ団体へ移籍、残る半数は未定という。

 同協会は1969年設立。91年から外国人研修制度を始め、研修先の企業は今年4月現在、衣服関係の工場など141社。これまでに中国から計約4000人を受け入れている。

   (2010年7月21日 読売新聞) 


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2010年07月21日

英語公用語化「ばかな話」=ホンダ社長


 会社や業種や部署によっては英語が必要で、今後のグローバル化を目指すうえでは”英語公用語化”というのもビジネス上必要なことなのかもしれません。

 しかし、グローバル化とか国際競争力を高めるといった名のもとに”英語公用語化”というのはどうなのでしょう。

 楽天やファーストリテイリング(ユニクロ)など、日本企業で社内の公用語を英語にしようという動きがあることは既に報道されていますし、賛否も分かれるところです。

 ”安易な考え”というと「何を根拠に?」と言われるかもしれませんし、”もっと日本語を大切に”的な考えこそ古くて何の戦略もないのかもしれませんが、個人的にはやはり違和感があります。

 こういう考えは古いのかもしれませんが、個人的にはホンダの社長の意見に賛成。

 時と場合によって使い分ける柔軟性のほうが大事なような気がします。

【記事】

 英語公用語化「ばかな話」=ホンダ社長

 「日本人が集まるここ日本で英語を使おうなんて、ばかな話」−。ホンダの伊東孝紳社長は20日の記者会見で、「グローバル企業として英語を社内の公用語にすべきでは」との質問に対し、その可能性を一蹴(いっしゅう)した。

 衣料品店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングや楽天が、英語を社内公用語にする方針を表明。こうした動きに対し、伊東社長は「英語が必要なやりとりは英語でやる。時と場合によって使い分ければいい」と強調した。

(2010/07/20 時事通信)


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2010年07月20日

<年金記録>サラリーマンの妻 45万人実態とズレ


 第3号被保険者制度において、届け出漏れの存在は制度発足時から指摘されてきたものの、45万人もの人が実態と食い違っているのだから、新たな年金問題(以前からあった問題ともいえますが)といってもよいかもしれません。

 ここでは第3号被保険者制度の是非については触れませんが、そもそも保険料を払わなくてよいというのは、加入意識が薄れるものです。

 配偶者(夫=男女逆でもよし)が会社を退職する時には、勤務していた事業所が社会保険(健康保険・厚生年金保険)の資格喪失の手続きを行い、健康保険証も返納します。

 3号の資格が失われて国民年金の第1号被保険者になる場合には、自ら手続きすることが必要であることの周知不足もあったのでしょうが、”配偶者が会社を退職して資格を失ったのに3号のままとなっている”というのはどういうことか。

 制度上の問題点や間違ってしまった後の対処の仕方(=時効とならない過去2年分の支払いを求める方針を決定。受給者については混乱回避のため、多く払われた年金の返還や、今後の年金額の変更につながる記録の訂正は求めない方針)も、この方法でよいのか、受給者は貰い得で公平性があるのか…等、いろいろと問題も出てくることでしょう。

 年金は、きちんと払って老後に備えて受給したい人もいれば、年金制度が信用できずに保険料を払いたくない人、受給額が少ないと思っている人など様々ですが、時効前の分については仕方なしという姿勢であれば、今後はさらに保険料を払わない人も多く出てくるでしょう。

 それだけ不公平があらわになり、真面目に納付している人が馬鹿をみるような制度であれば、これまで以上に現行の年金制度の信頼は失われていくでしょう。

 第3号被保険者については、これまでにも様々な問題点が指摘されてきましたし、平成17年には未届期間の特例届出という救済措置もあったりしたので、以前から制度面でいろいろと言われてきました。

 第1号被保険者の届け出、保険料納付は自分で行うことが基本ですが、現行の年金制度についての理解が進んでいない、信頼がないことは、国民皆年金であるはずの国民年金の納付率をみてもわかることです。

 制度が複雑化して旧社会保険庁や日本年金機構が記録を追えないような制度であれば、何のための制度なのかということになってしまうでしょうし、、保険料が徴収できないようなしくみであれば、度々議論されてきたように、社会保険料税方式や国民総背番号制という話もさらにクローズアップされてくることになるのでしょう。

【記事】

 <年金記録>サラリーマンの妻 45万人実態とズレ

 サラリーマンの妻などが加入する国民年金の第3号被保険者制度を巡り、配偶者が会社を退職して資格を失ったのに3号のままとなっているなど年金記録が実態と食い違う人が推計約45万人に達することが、日本年金機構の調査で分かった。届け出が必要なことを知らない人が少なくないためとみられ、払うべき国民年金保険料が未納だったり、年金の受給額が本来より多くなっている人が多数に上る可能性が高い。「宙に浮いた年金」などと同様、実態とのずれが放置されてきた膨大な記録の存在が浮かんだ。

 ◇厚労省 未納保険料請求へ

 厚生労働省は、こうした加入者の未納保険料について、時効とならない過去2年分の支払いを求める方針を決めた。今秋以後、該当者に通知する。一方、受給者については混乱回避のため、多く払われた年金の返還や、今後の年金額の変更につながる記録の訂正は求めない方針。

 3号被保険者は、扶養者である配偶者が会社員や公務員を辞めて厚生、共済年金から抜ける場合、3号の資格が失われるため国民年金第1号に加入する届けが必要。離婚した場合も同様だ。届け出漏れの存在は制度発足時(86年度)から指摘されてきた。

 日本年金機構は今年1月、3号の加入者や受給者について、オンラインデータ上で調査。配偶者の記録と照合したところ、配偶者の厚生年金の加入期間と食い違いのあった人が103万人に上った。

 この中には近く届ける予定の人も含まれるため、約2カ月後に100人を抽出して調査したところ、届けがされて加入期間のズレが解消されるなど問題のなかった人が56人いたが、44人はそのままだった。このうち13人は年金を既に受給していた。全体では受給者が約13万人、加入者が約32万人の計約45万人が食い違ったままと推計され、年金額に影響する恐れがある。

 離婚した人については、届け出ないと年金のオンラインデータに反映されないため、実際には届け出漏れの人がさらに多い可能性が高い。

 3号制度を巡っては、扶養者の退職時に知らされず、本人が届け出の義務に気づかない場合も多く、制度の不備も指摘される。厚労省は「最近では、受給申請時などに配偶者の記録と照合し、矛盾があれば日本年金機構が職権で訂正している。矛盾の全容はわからない」としている。

 【ことば】国民年金の第3号被保険者

 厚生年金や共済年金に加入する会社員や公務員の配偶者は、自ら保険料を払わなくても国民年金に加入しているとみなし、年金額にも反映される。保険料は配偶者の厚生年金や共済組合から拠出されるため、正確な届け出と加入記録への反映が制度の前提。3号に該当しながら記録が空白になっている届け出漏れの例も多いとされる。

   (7月20日 毎日新聞)


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2010年07月17日

女性「育休」取得率が初の下落 不景気影響?


 ずっと右肩上がりというのもいつかはストップしますが、下がるというのは制度の運用が後退するということであり、やはり景気悪化の影響ということになるでしょう。

 所得が減ることももちろんですが、育休切りなどが横行しているニュースが報道されれば、小さな会社に勤めている人はそれは育児休業は取得しにくくなるでしょう。

 小さな会社では、育休中に代わりに雇った社員がそのまま定着したり、育休から復帰後に配置転換や減給や仕事の変更を命じられたりすることが多くなっていますし、場合によっては解雇されるケースもあります。

 働く女性が増え、女性の管理職登用も増えている傾向がみられますし、それは良いことです。

 少子化・晩婚化の日本において、これまで育児休業制度が(実態はともかく)定着してきましたが、元々取得しにくい雰囲気だったものが景気悪化の影響で育児休業がさらに取得しにくくなれば、ますます少子化や晩婚化に拍車がかかることにもなるでしょう。

 6月末に、短時間勤務制度の義務化などが盛り込まれた改正育児・介護休業法が施行されましたが、子育てを巡る環境の厳しさが改めて浮き彫りになっています。


ひらめき「平成21年度雇用均等基本調査」結果概要(厚生労働省)


【記事】

 女性「育休」取得率が初の下落 不景気影響?

 右肩上がりを続けてきた女性の育児休業取得率が、平成21年度は85.6%(前年度比5ポイント減)と、8年度の調査開始以来、初めて下落に転じたことが16日、厚生労働省が発表した雇用均等基本調査で分かった。5〜29人の小規模な事業所で下落幅が大きく、厚労省は「景気悪化の影響で所得が減ることを懸念し、育休を取らない人が増えた可能性がある」と分析している。

 調査は男女間の雇用実態を把握する目的で昨年10月に実施、8726の企業・事業所から回答を得た。

 厚労省によると、30人以上の事業所では育休の取得率は微増したが、5〜29人の事業所では、前年度の93.4%から72.8%へと大幅に下落。小規模な事業所で働く人ほど生活に困窮し、子育てをしながらも働かざるを得なかった状況が伺える。

 一方、男性の育休取得率は1.72%(前年度比0.49ポイント増)と過去最高を記録。しかし、国は29年に10%、32年に13%とする目標を掲げており「いまだ低水準。もっと推進しないと目標に届かない」(厚労省)状況となっている。

 係長以上の管理職に占める女性の割合は過去最高の8%で、前回の18年度調査よりも1.1ポイント上昇。特に課長や部長級で上昇幅が大きかった。規模の小さい企業ほど、女性が管理職に登用される傾向が強かった。厚労省は「男女間の勤続年数の差が縮まっていることや、実力本位で女性を管理職に登用する企業が増えている」と話している。

   (7月16日 産経新聞)


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2010年07月15日

8歳児(小学校2年)持つ働く母親、半数以上が非正社員


 2001年に生まれた子供とその母親の生活実態を毎年追跡調査しているというめずらしい調査ですが、年月が経過した後の変化がどのようになっているのかというのがよくわかる調査です。

 対象児童は8歳(小学校2年)になっています。

 仕事に対する考え方や夫の収入状況など、様々な違いはあるでしょう。

 母親が仕事を持っている割合は60.5%で、初めて6割を超えたそうです。

 ただし、パート・アルバイトが34.2%と出産半年後の約10倍に増え、出産後の仕事は非正社員であることが多くなっており、出産で仕事を辞めると、正社員に戻るのが難しい実情が浮かび上がっています。

 仕事と子育ての両立の難しさ、求人等の情報の少なさ(景気悪化、労働時間や通勤時間の短さ)、保育や子供の世話の手配(再就職時の末子の年齢)、夫との話し合い、企業の育児休業制度、再雇用制度、職場復帰制度の未整備など様々な要因が重なり合っていると思われます。

 この調査は毎年の追跡調査なので、子供の年齢がある程度の年齢に達すると、女性の労働状況も変化してくるのではないでしょうか。


ひらめき第8回21世紀出生児縦断調査結果の概況


【記事】

 8歳児持つ働く母親、半数以上が非正社員

 8歳の子どもがいる母親の6割が働いている一方、その半数以上の働き方がパートやアルバイトなどの非正社員であることが14日、厚生労働省が公表した「21世紀出生児縦断調査」で明らかになった。出産で仕事を辞めると、正社員に戻るのが難しい実情が浮かび上がった。

 2001年生まれの子どもの親を対象に毎年追跡調査し、8回目の09年は約3万6千人分を集計した。

 働く母親の割合は、出産半年後で25%だったが、年々増えて今回は60.5%。子育て費用の負担などから共働きが増える様子がうかがえた。

 母親全体のうち、正社員の割合は出産する1年前は32.4%だったが、出産後は15.9%に減り、今回も17.7%にとどまった。一方で、パート・アルバイトは今回34.2%と出産半年後の約10倍に増え、新たな仕事の多くが非正社員であることがわかった。

 また、子どもが1歳半のときに、子育ての不安や悩みが「すごくある」と答えた家庭で2人目が生まれた割合が6割だったのに対し、「ほとんどない」と答えた家庭は75.4%と多かった。子育てへの不安や悩みが大きいほど、2人目の子どもをためらう傾向が裏付けられた。

   (2010年7月14日 asahi.com)


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2010年07月13日

「休暇取得に明確な基準を」=「欠勤扱い」の裁判員が注文―徳島地裁


 裁判員制度は平成21年5月21日よりスタートしていますが、それ以前に社労士業界では「裁判員制度開始に伴い就業規則の変更を…」みたいなことも言われていました。

 よく質問などがあったのは、やはり「休暇」について。

 中小企業では1人が欠員することにより、替わりの人を確保することが困難な場合が多く、業務にも影響が出ることもあり、裁判員休暇をとられては困るというのが実情です。

 労働者も実際には裁判員にはなりたくないと思っていても、そのような理由での裁判員の拒否はできません。

 労働基準法では、労働者が公民権の行使をするために必要な時間を請求した場合は、使用者は原則として休暇の請求を拒むことができないと規定されています。

 しかし、有給休暇とすることまで義務付けてはいませんので、裁判員休暇を有給とするか無給とするか、あるいは就業規則でどのように規定するかは企業の自由です。

 裁判員の日当は10,000円以内なので、その人の給与によっては損得勘定も出てくるでしょうし、審理が6日間も続けばいろいろと影響も出てきます。

 会社としては”従業員が休んでいて裁判所から日当が出るのに給料は払いたくない”でしょうし、従業員の立場からすれば”自分で希望して裁判員になったわけではない”ということになるでしょう。

 現在の基準は確かに曖昧な部分もあり、この男性が主張するように、明確な基準が必要なのかもしれません。


ひらめき裁判員制度のメリットデメリット
 http://jp.meritdemerit.com/topic/11


【記事】

 「休暇取得に明確な基準を」=「欠勤扱い」の裁判員が注文―徳島地裁

 徳島地裁で強盗殺人未遂事件の裁判員裁判の判決が言い渡された12日、会社を欠勤扱いにされた裁判員経験者の男性会社員(46)が記者会見し「休みについては裁判所と会社の間で明確な基準を作るべきだ」と注文を付けた。

 公判では殺意の有無が争われ、審理は6日間に及んだ。男性は会社と相談したが、会社側は裁判所から日当が出ることを理由に、代休3日間、足りない3日間は無給の欠勤扱いとするよう指示した。 

   (7月12日 時事通信)
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2010年07月12日

会社分割巡る従業員転籍、事前協議なければ無効 最高裁


 個々の判決の勝敗は別として、最高裁でひとつの判断が示されました。

 といっても、当然といえば当然かもしれません。

 労働者を転籍させる場合、”会社側が協議や説明をしていることが当然の前提であり、会社が協議をまったく行わなかったり、著しく不十分だったりした場合は、労働契約の継承は無効になる”というものです。

 「出向」と「転籍」についてはよく比較されるところです。

 「出向」とは、出向元会社に籍を置いて労働契約関係を維持しつつ、出向先企業に赴き、その会社とも新たな労働契約を結んで指揮命令に従い業務に従事する状態をいいます。

 「転籍」とは、今勤めている会社との労働契約を終了させ、転籍先で新しい会社と労働契約を締結し業務に従事することをいい、元会社の業務命令で転籍を行うことはできません。

 原則として、出向も転籍も本人の同意が必要となりますが、「転籍」の場合は今の労働契約を終了させることになるわけですから、会社の就業規則で「転籍を命令することがある」旨が記載されていたとしても、個別の同意が必要というのが一般的な考え方ですので注意が必要です。

 今回のニュースは、会社分割に伴う転籍のケースですが、人員削減のために転籍が用いられるケースもあります。

 従業員の労働環境に大きな変化をもたらす出向や転籍は、慎重に行う必要があります。

【記事】

 会社分割巡る従業員転籍、事前協議なければ無効 最高裁

 会社分割で新会社に転籍することになった日本IBMの従業員が、同社に転籍の無効の確認などを求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷(千葉勝美裁判長)は12日、「会社が分割に関して従業員との協議や説明をまったく行わなかった場合には、転籍は無効となる」との初判断を示した。

 そのうえで今回はIBM側が十分な説明をしたと判断、原告側の上告を棄却した。原告側敗訴の一、二審判決が確定した。

 会社分割は2001年施行の改正商法(現会社法)で制度化され、従来より柔軟に会社組織を再編できるようになった。法律上、会社分割に伴って従業員の労働契約は原則として自動的に新会社に引き継がれるが、その際には従業員に説明するよう定めれれている。

 今回の訴訟で原告側は「会社側は分割について十分な説明をしなかった」と主張。IBM側は「法律で定められた協議などを実施した」と主張していた。

 同小法廷は「労働者は転籍に異議を申し出ることはできないが、それは会社側が協議や説明をしていることが当然の前提」と指摘。会社が協議をまったく行わなかったり、著しく不十分だったりした場合は、労働契約の継承は無効になるとの初判断を示した。

 判決によると、米IBMが02年、ハードディスク駆動装置(HDD)部門を日立製作所に売却することで合意。同部門を会社分割して新会社を設立、従業員を転籍させたうえで、この会社を日立側に売却した。一審・横浜地裁は「IBMは必要な説明を行っており違法とはいえない」として、原告側請求を棄却。二審・東京地裁も支持し、原告側控訴を棄却していた。

   (2010年7月12日 日本経済新聞)


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2010年07月10日

“労使協定なし”で書類送検 奈良県内の病院


 奈良県内の2つの県立病院で、労使協定を結ばずに医師や看護師らに時間外労働をさせていたとして、労働基準法違反の疑いで労働基準監督署より書類送検されていたことがわかりました。

 県外に住む医師からの告発を受けて労働基準監督署が調査を進めていたとのことですが、病院の設立当初から時間外労働に関する労使協定(36協定)を結ばずに医師や看護師らに時間外労働をさせていたとのことです。

 さらに労基署から協定の未締結について是正勧告を受けていたものの、協定を結ばないまま時間外労働をさせていたとのこと。

 労働基準法では、1週間に40時間、1日8時間の法定労働時間を超えて勤務する場合には労使協定(36協定)を結ぶことを義務付けています。

 医師不足や看護師不足といった勤務実態が問題とされ、ニュースで目にすることもありますが、飲食店や金融関係など他の業界でも残業が常態化している業界もあります。

 36協定の有無や36協定で定めている限度時間を超えて残業させていないかどうか…というのは、労働基準監督署の調査が入ったときには、必ずといっていいほどチェックされる項目ですので、36協定の締結と労働基準監督署への届出は忘れないようにしなければなりません。

【記事】

 奈良の県立2病院、時間外労働の疑い 労基署が書類送検

 奈良、大淀労働基準監督署は、奈良県立奈良病院(奈良市)と同県立五條病院(同県五條市)が労使協定を結ばずに医師らに時間外労働をさせていたとして、労働基準法違反の疑いで奈良地検に書類送検した。

 両病院はいずれも、5月に書類送検された。法定労働時間を超す時間外労働については、労使間で労基法36条に基づく協定の締結と労基署への届け出が義務づけられている。
 しかし、両病院は開業以来30年以上にわたり、協定を結んでいなかったという。

 県によると、両病院は2002〜05年、労基署から協定の未締結について是正勧告を受け、労組側と協議を続けてきた。しかし折り合いがつかず、協定を結ばないまま医師や看護師ら計710人に時間外労働をさせていたという。

   (2010年7月9日 asahi.com)


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2010年07月06日

「年金型」生命保険金 所得税は二重課税 最高裁逆転の「違法」判決


 7月6日の読売新聞の夕刊の一面と社会面にかなり大きく掲載されていた注目記事です。 

 法律の条文では適法あるいは違法であっても、過去の慣習でこれまで長い間続いてきたこと、本来の目的と違った解釈がされていることなど、探せばいろいろ出てくるのかもしれません。

 税金や社会保険料についてはシビアな時代ではありますが、”難しいし仕方がない”で済ませている人もいるのかもしれませんが、FPとしては注目の最高裁判決です。

 「生命保険を受け取る権利」が相続税財産として評価され、相続税が課されたうえに、年金として生命保険金を受け取る時にも、その受け取りに所得税が源泉徴収されている…。

 普通に素人的に考えると「二重課税では?」「最高裁判決に納得!」となるのでしょうが、長い間、生命保険金を遺族が年金として分割で受け取る場合に、相続税と所得税の両方が課税されることが当たり前のように行われていました。

 遺族の生活を考えると、将来に備えて一時金ではなく年金で受け取りたいと思う人は多いと思います。

 1人の主婦の訴えが、逆転また逆転で最高裁判決で「二重課税」との判断。

 FPといっても税金に詳しい人とそうでない人がいますが、私自身は税のプロではないので、庶民目線で考えると「これは二重課税だろ!」と思いますが、税理士の先生にとっては異論のあるところかもしれませんね。

 すでに42年間にわたって二重課税が続いていたとのことで、還付を求めることができる期間は過去5年分までとはいえ、国税庁や生命保険会社の今後の対応はかなり大変だと思いますし、税に携わる仕事をしている人の考え方も根本的に見直さなければならない恐れもあるとのことで、大変だと思います。


【記事】

 所得税は二重課税

 最高裁逆転の「違法」判決

 生命保険金を遺族が年金として分割で受け取る場合に、相続税と所得税の両方が課されることが所得税法で禁じられた二重課税に当たるかどうかが争われた訴訟の上告審判決が6日、最高裁第3小法廷であった。那須弘平裁判長は「二重課税に当たり、違法」との初判断を示し、課税は適法とした2審・福岡高裁判決を破棄、所得税の課税処分を取り消した。国側の逆転敗訴が確定した。

 国側の訴訟資料によると、保険金を分割で年金として受け取れるタイプの保険契約は2007年時点で、最大手の日本生命だけで約210万件。既に遺族が年金を受け取ったケースも同社と住友生命の2社で1万3000件超に上る。国税当局は42年間にわたり二重課税を続けており、実務の見直しや徴収した所得税の返還を求められるのは必至だ。

 訴えていたのは長崎市に住む主婦(49)。1、2審判決によると、主婦の夫は、総額2300万円の保険金を10年間に分け、毎年230万円ずつ受け取る特約付きの生命保険を契約。主婦は夫が死亡した02年、生命保険会社から一時金と初年分の年金を受け取った。この年金に対し、相続税に加えて所得税が課せられたため、主婦は「相続財産に所得税は課せないと規定した所得税法に反する」として国税不服審判所に不服を申し立てたが認められず、05年8月に提訴した。

 国側は訴訟で、相続税の課税対象は年金を受け取る「権利」であり、現金で分割払いされる年金には所得税を課しても許されると主張したが、同小法廷は「年金を受け取る権利と、実際に分割払いされる年金とは経済的に同一のもので、所得税を課すことは許されない」と指摘した。

 ただ、相続税の対象額は分割して受け取る期間に応じて決まり、今回のケースでは、年金総額2300万円のうち約6割の1380万円が対象となった。同小法廷は、残りの920万円については二重課税に当たらないと判断した。

 06年11月の1審・長崎地裁は「二重課税に当たる」として違法と判断したが、07年10月の2審・福岡高裁は国側の主張を認めて1審判決を破棄したため、女性が上告していた。

   (2010年7月6日 読売新聞)

【記事】

 国税に「ノー」…主婦の訴え、税務行政揺るがす

 1人の主婦の訴えが、税務行政の根幹を揺るがした。

 遺族が分割で受け取る生命保険金に対し、相続税と所得税の両方を課していることを「違法な二重課税」と断じた6日の最高裁判決。40年以上にわたって行ってきた課税手法に「ノー」を突き付けられた国税当局では、「これほど真っ向から否定されるとは」「還付請求はどれぐらい来るのか」などと、戸惑いや不安の声が広がった。

 ◆「還付請求は?」職員戸惑い◆

 「何十年も前から定着していた考え方だったので、驚いている。納めすぎた人たちから還付請求が来る可能性もあるので、早急に対応を検討することになるのでは」。判決を受け、国税職員は困惑の表情を見せた。別の職員も「長年やってきたことが全面的に覆ってしまうなんて」と驚き、「相続税と所得税をどのように課税していくのか、仕事のやり方を根本的に見直さなければならない恐れもある」と動揺を隠さない。

 訴訟を担当した福岡国税局が生保会社に行った聞き取り調査によると、今回と同様の年金タイプの生命保険は、最大手の日本生命(大阪市)では2007年時点で約8000件が支払い中で、支払いを控えているものは209万件に上る。住友生命(同)は「支払い中のものは約5000件。過去に分割で支払った件数は1万を超えることは間違いない」と回答していた。

 こうした契約に基づき、遺族が受け取った年金に課された所得税が判決で「違法」とされたことで、今後は、契約者が還付請求などで国に返還を求めることが予想される。現状では還付を求めることができる期間は過去5年分までだが、国税庁は「判決内容を確認して、対応を決めたい」としている。

 ◆最高裁判決の骨子◆

 所得税法では、相続や個人からの贈与で取得するものには所得税を課さない、と規定しており、その趣旨は、同一の経済的価値に対する二重課税を排除したものと解される。

 年金の各支給額のうち、被相続人死亡時現在の価値に相当する部分は、相続税の課税対象となる経済的価値と同一ということができ、所得税を課すことは許されない。

   (2010年7月6日 読売新聞)

【記事】

 二重課税、国に「ノー」訴え届く 勝訴の主婦

 「大切な人を亡くしてもらうお金。1円だって無駄にしたくない」。年金形式の生命保険金に対する所得税の課税を違法として取り消した6日の最高裁判決。夫の急死から間もなく8年。相続税との「二重課税」に、一人でノーを言い続けた長崎市の主婦(49)の訴えが届いた。

 電気工事業を営む夫が41歳で亡くなったのは2002年10月。年金特約付きの保険に加入してから6年しかたっていなかった。娘2人は未成年。保険会社の担当者から「一時金と年金、受け取る際に違いはない」と説明を受け、将来に備えて保険金の一部を年金化した。

 遺産相続で相談した税理士から「年金部分が源泉徴収されている。おかしい」と指摘を受けたのは03年7月。初回受給の230万円から22万800円が引かれていた。一時金には所得税がかからず、かえって疑問は深まった。

 納税額の訂正を求めても「課税実務」を盾に、税務署は応じない。悩んだ末に提訴を決意。弁護士には依頼せず、税理士の支援を受けながら国側の代理人と対峙した。

 一審では全面勝訴したが、弁護士を付けた二審では逆転敗訴。納得できずに上告した。

   (2010/07/06 共同通信)
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2010年07月05日

退職強要、腹けられ…郵便局いじめ公務災害認定


 民営化前の郵便局内でいじめや暴行を受け精神・身体的傷害を負ったのは公務上の災害だとして、三重県四日市市の郵便局会社社員の男性が国や日本郵政を相手取り、静岡地裁で公務災害の認定を求めた行政訴訟で、「公務外の災害」という判断を日本郵政が覆し、公務上の災害と認定していたことがわかったそうです。人事院によると、認定が覆るケースは珍しいとのこと。

 職場の人間関係によるトラブルが多くなっています。それが原因で仕事が手につかなくなることもあります。

 いじめ・嫌がらせ・パワハラと一言でいっても様々ありますが、単に個人的な問題というよりは、 職場での問題として捉えていく必要がありますし、その背景に組織的な体質が原因にある可能性もあります。
 
 いじめが起こる組織の特徴としては、”社員同士のコミュニケーションが少ない””管理職の指導力が欠如している””会社の風通しの悪さ””個人業務が多い””成果主義””過重労働”など、労働環境の変化に伴う環境的な要因があります。


 就業環境や雇用形態の変化等により、セクハラやパワハラをはじめ、 退職勧奨を目的とした職場ぐるみのいじめなども増加傾向にあります。

 職場での無視や陰口、仕事はずしなどにより職場で孤立することは本人にとって精神的に苦痛ですし、会社に行くのも嫌になりましし、仕事に集中できなくなります。

 職場での「いじめ」は様々な形で行われるため、それが違法な行為であるかどうかを判断するのは難しく、結局は個々の事例ごとに判断することになりますが、「業務上必要性のない命令」や「退職強要など不当な目的による命令」については、違法性があると考えられますし、不法行為(民法第709条)として損害賠償請求が認められることもあります。

 いじめ・嫌がらせ・パワハラが発生すると、職場の雰囲気が悪くなり、人間関係もギスギスしてきます。社内のモチベーションが低下し、生産性も低下し優秀な人材が流出したりするため、会社としては良いことはなく、損失が大きくなります。

 こうしたことを防ぐには、”いじめを発生させない・容認しない社内風土作り””社内コミュニケーションの活性化””管理職対象のハラスメント研修””公正な評価・処遇””仕事と責任範囲の明確化”といった、社内業務の精査が予防に有効と考えられています。

 いじめ・嫌がらせ・パワハラは、単に当事者同士の問題でなく、職場全体、会社経営全体として考えていかなければなりません。

 最後に少し古いデータですが、日本産業カウンセラー協会の2007年のアンケート統計によると、職場のいじめを実際に見たり相談を受けるなど事例経験があるとの回答は8割に上っています。最後に産経新聞の記事も付け加えておきます。

ひらめき産業カウンセラー440 人が見る職場/悲惨さ増す「職場のいじめ」の実態 (日本産業カウンセラー協会)

【記事】

 退職強要、腹けられ…郵便局いじめ公務災害認定

 静岡県伊東市の伊豆高原郵便局で職場ぐるみのいじめを受けて不安障害を発症したとして公務災害の認定を求めた男性について、2006年の日本郵政公社(当時)と人事院の「公務外の災害」という判断を日本郵政が覆し、公務上の災害と認定していたことがわかった。

 人事院によると、認定が覆るケースは珍しいという。

 男性は三重県四日市市の山田佳史さん(34)。06年の判断を不服として、公務災害認定を求める行政訴訟を09年、静岡地裁に起こした。

 訴状によると、山田さんは01年から同局に勤務。複数の局員から「人間としての価値はない」などと退職を強要されたほか、06年には職場のバイク置き場で同僚に腹部をけられ約3か月のけがを負った。心的外傷後ストレス障害(PTSD)などと診断されて休職し、公務災害の認定を申請した。今年2月、休職期間満了で解雇された。

 山田さんの代理人弁護士によると、6月14日付で届いた公務災害補償通知書には、外傷やPTSDについてすべて公務災害と認め、06年の判断も取り消すと記されていた。
 解雇は取り消され、弁護団は行政訴訟を取り下げる方針。

 日本郵政の担当者は「検討した結果、認定すべきとの結論に達した」と話した。人事院職員福祉局は「日本郵政から申し出があり、妥当と判断した」としている。

   (7月4日 読売新聞)

【記事】

 悲惨さ増す職場のいじめ 「見た・相談受けた」8割

 日本産業カウンセラー協会が12日発表した産業カウンセラー440人に実施した「職場のいじめ」調査結果によると、実際に見たり相談を受けるなど事例経験があるとの回答は8割に上った。内容としては「パワハラ」が78%を占め、その形態も「罵る・怒鳴る・威嚇する」が68%と最も多く、企業のいじめが悲惨さを増している実態が浮き彫りになった(特集「いじめ問題」)。

 罵る・怒鳴る・威嚇

 協会は過去、4回にわたり産業カウンセラー100人に対して職場のいじめをテーマに調査を実施。今回は企業・団体の従業員カウンセラーら実際にカウンセリング業務にかかわっている人を対象に11月1日から25日までホームページ上で行った。 この結果、「職場のいじめと考えられる事例を見たり、相談を受けたりしたことがあるか」との質問に対しては81%が「ある」として、前回の79・7%を上回った。事例の内容としては、「パワハラ」が78%でトップ。その形態としては「無視・仲間はずれ」(54%)や「嫌がらせ」(50%)を抑えて、「罵る・怒鳴る・威嚇する」が68%で最も多かった。いじめが行われた人間関係では「上司から部下」が85%に達し、「社員間」(56%)、「同性間」(43%)を圧倒的に引き離している。

 想定通りの結果

 会見した同協会の相談事業部長で東京支部のカウンセラーでもある橋渡志保子さんは「自分が受けている相談内容がほとんど当てはまる。怒鳴るなどの行為が日常的に行われている組織では、誰か一人がターゲットになって攻撃され、周囲も自分に影響が生じないように見て見ぬふりをして、パワハラがないことにされてしまう傾向がある。こうした事態は個人ではどうしようもない」と指摘した。

 原康長専務理事も「想定した結果通り」としたうえで「学校でのいじめと同じく、強者が弱者をいじめることが企業社会に持ち込まれ、そのまま見過ごされている。企業内における民主主義がないがしろにされている」と危機感をあらわにした。

 「法整備が必要」

 パワハラ防止のための有効・必要な対策としては、87%が「管理職研修を含む企業内教育」を挙げている。このほか橋渡相談事業部長は「セクハラは法処分が可能になったことで、管理職や一般社員も含めて教育が行き届いている。パワハラについても厳正な処罰ができるように法制度の整備は必要」との見解を示した。

 「今回は、企業の現場で産業カウンセリング業務に携わっている人を対象に限定したことで、何らかのいじめが企業内で行われていることがわかった。人格を無視するようなハラスメントを根絶し、働く人が本当に大事にされる環境作りが、企業の責任者に求められている」と原専務理事は、いじめ排除に向けて具体的な活動の重要性を強調した。

   (2007年12月13日 産経ニュース)


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2010年07月04日

添乗員みなし労働は妥当 HTSに逆の司法判断


 阪急トラベルサポートの「事業場外みなし労働時間制」をめぐっては、2010年5月2008年5月にも当ブログで記事にしていますが、この時とは別の添乗員の訴訟の判決。

 今回の判決では、「事業場外みなし労働時間制」の適用を妥当と判断した上で会社に約24万円の割増賃金・付加金の支払いが命じられています。

 5月の別の添乗員の訴訟で、東京地裁の別の裁判官が「事業場外みなし労働時間制」の適用を否定する判決が出されており、同じ添乗員という職種でも判断が分かれる形となっています。

 もちろんケースバイケースで判断が分かれることもあるでしょうが、労働者の会社への報告の有無や旅行日程などのわずかな違いという印象もありますが、労働時間の算定が困難な場合に当たると判断されれば、同じ会社の同職種であろうが判断の分かれることもあるということでしょう。

 旅行会社の添乗員は、就労場所が事業場外でもあり、労働時間の算定がし難いということで、みなし労働時間制をとっていることが多くなっています。

【記事】

 添乗員みなし労働は妥当 HTSに逆の司法判断

 阪急トラベルサポート(HTS、大阪市)から「事業場外みなし労働制」の適用を理由に残業代を支給されなかったとして、派遣添乗員の女性が計約44万円の支払いを求めた訴訟の判決で、東京地裁は2日、適用を妥当と判断した上で約24万円の支払いを命じた。

 事業場外みなし労働制は労働基準法で定められ、会社の指揮・監督が及ばず、労働時間の算定が困難な場合に一定時間働いたとみなされる。HTSをめぐっては5月に、別の添乗員の訴訟で東京地裁の別の裁判官が適用を否定する判決を出しており、判断が分かれる形となった。

 田中一隆裁判官は「原告は単独で業務を行い、旅先に到着後も会社に必ず連絡して指示を受けたりはしていない。日程も大まかで変更などもあった」と指摘、労働時間の算定が困難な場合に当たると判断した。

 その上で1日のみなし労働時間をHTS側の主張と同じく11時間と認定。労働基準法に基づき8時間を上回る3時間分と休日労働については時間外の割増賃金計約12万円、さらに同額の付加金も併せて支払うよう命じた。

 判決によると、女性は2007年12月〜08年1月にかけ、ヨーロッパへの二つのツアーに参加した。

   (7月2日 共同通信)
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2010年07月03日

中国人実習生、過労死で外国人初の労災認定へ


 外国人研修・技能実習制度で来日した中国人技能実習生が、茨城県潮来市の金属加工会社で実習中に死亡したことについて、鹿嶋労働基準監督署は、違法な長時間労働による過労死として判断し、労災認定する方針を決めたそうです。外国人実習生を過労死として認定するのは初めてとのこと。

 この同じ会社の同じ男性のニュースは昨年、こちらでも記事にしていますし、当ブログでも何度も記事にしていますが、外国人研修・技能実習制度において、現場ではほとんど「労働者」扱いされておらず、「研修生」「実習生」と呼ばれていたり、労働基準法や最低賃金法を無視して超長時間労働や低賃金で働かせ、仕事中にケガをしても労災扱いとしないということも多いようです。

 男性の死亡直前の残業時間は月100時間超で、タイムカードと賃金台帳を虚偽作成し、実際の時刻が記録された台帳などはシュレッダーで廃棄していたとのことで、悪質です。

 中国といっても、外国人研修・技能実習制度で来日する人は、都市部の人ではなく、ほとんど農村部の人たちで、中国の通貨価値が以前よりは上がったといっても、まだまだ稼ぎたいという人もおり、実際には本人の希望で長時間労働となるケースも多くなっている部分も確かにあることは事実です。

 しかし、直前の健康診断で異常がなくても、異国での長時間労働で心身ともに疲れており、健康管理には注意しなければなりません。

 過酷な長時間労働や最低賃金以下の賃金で働かせたりするといったニュースはよく目にしますし、これも氷山の一角です。

 長時間労働や低賃金のほかにも、これまでにセクハラやパワハラ、性暴力をはじめ、パスポート取上げ、権利主張に対する強制帰国、保証金・違約金による身柄拘束、強制貯金、労災の申請を受け付けてもらえないなどといったことが報道されており、外国人研修・技能実習制度についての誤解も多くなっています。 

【記事】

 中国人実習生は「過労死」 残業月100時間超 国内初の認定へ

 日本の技術を学ぶため外国人研修・技能実習制度で来日し、実習生として茨城県潮来市の金属加工業「フジ電化工業」で働いていた中国人の蒋暁東さん=当時(31)=が死亡したことについて、鹿嶋労働基準監督署(鹿嶋市)は2日、労働基準法違反(長時間労働、賃金不払い)の疑いで、同社と男性社長(66)を水戸地検土浦支部に書類送検した。同労基署は蒋さんの死を「過労死」と判断、労災認定する方針。

 外国人研修生問題に詳しい弁護士らで構成される外国人研修生権利ネットワークによると、外国人実習生を過労死として認定するのは初めて。

 同労基署によると、蒋さんは平成17年12月に来日。同社のメッキ工場で研修を始め、18年12月からは技能実習生として勤務していたが、20年6月6日に自宅で心不全により死亡。遺族が「死亡原因は過労死」と訴え、同労基署に労災保険を請求していた。
 同労基署によると、蒋さんの死亡直前の残業時間は月100時間を超えていたという。

 同労基署によると、同社は蒋さんにタイムカードを午後6時に押させて退社させたように見せかけた上で残業させ、実際の退社時刻を記録したタイムカードを破棄していたという。

   (7月3日 産経新聞)


posted by 千葉は千葉でも@幕張本郷 at 12:33| ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月02日

再雇用1年で継続期待権認める 大阪高裁 解雇権の乱用と結論


 有期労働契約の更新拒否(雇い止め)をめぐるトラブルが増えています。

 これまでにもパートやアルバイト、期間雇用者の雇用契約満了に伴う雇い止めのトラブルや裁判は多くありましたが、今回は、定年後の再雇用後に1年で雇い止めになったケースです。

 本来、期間の定めのある労働契約(有期労働契約)は、期間満了によって終了するのが原則です。

 しかし、「有期労働契約であっても何度も契約が反復更新され、労働契約が継続している状態になっている場合は、労働者も雇用の継続(次回の更新)について期待を抱くことになり、事実上期間の定めのない労働契約と同じであり、その契約を終了させるには、期間の定めのない労働契約を終了させる時と同じように解雇に準じた合理的な理由や解雇予告の手続きが必要であるとする判例が定着しています。


 定年後再雇用した後に1年で雇い止めしたケースで、再雇用継続に対する「期待権」が認められ、雇い止めは”解雇権の乱用”に当たるとした司法判断は初とのこと。

 従来の判例では、雇用継続の期待権は複数年の契約更新がないと認められていませんでしたが、定年後再雇用の今回は1年で認められたことで、今後の同様の事例にも影響を与えそうです。

 そもそも定年以前には、同じ会社で期間の定めのない労働契約で働いていれば、何年も働いていたわけですから、労働者が契約更新の期待を持つのも当然といえますが、今回の記事で「期待権」という言葉が強調されている印象もあり、これが定着するかもしれません。

 特に60歳を超えた場合、現在の時期は年金の支給開始時期との兼ね合いもあり、体が元気であるならば、少なくとも自分が年金を(満額)もらえる年齢になるまでは働きたいと思うのが働く側の心理でしょう。

 高年齢者雇用安定法や会社の就業規則の記載内容に基づいた判断ではありますが、業績不振で雇用調整をしなければならない会社も多く、会社にとっては難しい問題です。

 
 解雇権濫用の判断は、個別具体的な事情を総合的に考慮して行われるものなので一概には言えませんが、従来から整理解雇の4要件(人員削減の必要性、解雇回避の努力、対象者選定の合理性、労働者への説明と協議)というものがあり、この4つの要件がすべて満たされなければならないとするのが一般的な判例といえました。

 しかし、必ずしもすべての要件が満たされていなければならないというわけではないという趣旨の判例もあります。

 それでも、解雇回避への努力労働者への説明と協議については重視されているといってよいでしょう。

【記事】

 雇用継続:「期待権」認定 「雇い止めは解雇権乱用」−−大阪高裁

 京都府向日市の倉庫会社を60歳で定年退職後、同社に再雇用された大津市の男性(62)が、1年での雇用打ち切りを不服とし、同社に対し賃金の仮払いなどを求めた仮処分申請の抗告審で、大阪高裁は再雇用継続に対する男性の「期待権」を認め、仮払いを命じる決定を25日付で出した。65歳までの雇用確保を義務付けた改正高齢者雇用安定法(06年施行)を踏まえ、前坂光雄裁判長は「男性が雇用継続を期待することには合理性があり、雇い止めは解雇権の乱用に当たる」と判断した。

 29日に会見した男性の代理人の渡辺輝人弁護士によると、再雇用後の雇い止めを巡る争いで、雇用継続への期待権を認めた司法判断は全国で初めて。

 決定などによると、男性は67年、親会社に就職し、08年6月の定年まで子会社の倉庫会社で働いた。同社は同年、同法に基づき64歳までの再雇用制度を導入。男性も1年ごとに契約を更新する前提で再雇用されたが、09年6月、業績不振を理由に打ち切られた。

 高裁は、男性以外の被再雇用者の契約は更新されたことなどから「会社は雇用継続の努力を尽くしていない」と指摘。男性が定年まで勤め上げたことも考慮し、打ち切りは不適当と判断した。男性は京都地裁への仮処分申請が却下され、抗告していた。

   (2010年6月30日 毎日新聞)


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